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このような設定の下、「政府の借金である国債残高(A)」と「B~Fが保有する国債残高の合計」との差分をみたものが、図表の棒グラフである。その際、「日銀(B)」「銀行等(C)」「保険・年金基金(D)」「その他金融仲介機関(E)」「海外(F)」が保有する国債残高の合計は、発行した「国債残高(A)」の保有主体別内訳の一部のため、B~Fの合計がAを超えることはあり得ない。
棒グラフが正の値のとき、B~Fの合計はA未満であるが、棒グラフが負の値のとき、B~Fの合計はAを超えていることを意味する。図表では、18年Q3まで、棒グラフは正の値をとっているが、18年Q4から負の値をとっている。これは、18年に異次元緩和は限界に達し、国債市場が完全に干上がる可能性を示唆する。
以上は、日銀がネットで年間70兆円の長期国債を買い増す場合の予測で、今後の財政赤字や、民間銀行等が保有する国債残高の経路が異なれば、若干違った予測となることはいうまでもないが、異次元緩和を軌道修正したといっても、日銀が年間70兆円もの長期国債を買い増す政策は長期にわたって継続できるものでなく、近々、さらに見直しを迫られる可能性を示唆する。
(文=小黒一正/法政大学経済学部教授)
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