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武田薬品工業・東京本社(「Wikipedia」より)
株主総会の季節がやってきた。3月期決算企業の定時株主総会は、多くが6月中旬以降に開催される。そのなかで、注目される企業をピックアップしてみよう。
出光興産…創業家は月岡社長の再任に反対
出光興産は6月29日、東京・港区のグランドハイアット東京3階で第102回定時株主総会を開催する。大荒れになるのは必至だ。
創業家代理人の鶴間洋平弁護士は6月5日、株主総会で12人の取締役のうち、昭和シェル石油との合併を主導してきた月岡隆社長、関大輔副社長ら5人の選任に反対すると発表した。
昨年6月の株主総会で、出光の経営陣と創業家の出光昭介名誉会長の対立が表面化した。総会では、出光家の前代理人、浜田卓二郎弁護士が昭和シェルとの合併反対を表明したが、今年に入り浜田氏が対立解消に動いたとされた。それに昭介氏の次男が反対し、浜田氏を解任。後任の鶴間弁護士は合併反対に回帰した。
昨年の株主総会では、月岡隆社長は議決権の52.3%の賛成でかろうじて再任された。今年は、どの程度の賛成を確保できるのか。よしんば再任されても、昭和シェルとの合併を実現するには3分の2以上の賛成が必要になるという事実に変わりはない。
創業家側は出光株の33.92%を保有しており、合併に必要な株主総会の特別決議を否決する力を持つ。つまり、経営陣が創業家の一角を崩せなければ合併は実現しない。
昭介氏の息子で、各々1.5%の株式を保有する大株主である正和氏、正道氏兄弟のいずれかを取締役に起用することがひとつの落しどころとみられていたが、株主総会に向けて提案された新任取締役の中に出光家の出身者の名前はない。抗争がさらに長期化する雲行きだ。
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