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かつてのコンビニやファストフード店のコーヒーは、「低価格だが味はそれなり」という評価が主流だった。いわば、「安かろう悪かろう」との認識だ。しかし、ここ数年は各社が力を入れだしたため、味が良くなり「低価格なのにおいしい」という評価に変わってきている。
近年、コーヒーにかかわる環境は大きく変わりつつある。食の安全・安心財団によると、喫茶店の市場規模は09年まで縮小傾向を示していたが、10年から増加に転じ成長市場に変わっていった。16年の市場規模は1兆1270億円で、09年から12%増加している。国内のコーヒー消費量が増加しているのも興味深い。全日本コーヒー協会によると、16年のコーヒー消費量は47万トンで、11年(42万トン)以降5年連続で前年を上回っている。
スタバを取り巻く環境は激変している。スタバやドトールなどのカフェや喫茶店はもちろん、コンビニやファストフード店なども含めた企業が、コーヒーを好む消費者を奪い合っている。
競争が激化するなか、各社はコーヒーなどの商品・サービスに磨きをかけていった。その結果、各社の差異は次第に縮まっていき、かつて一世を風靡し他を圧倒したスタバの地位は相対的に低下していった。そのため、消費者の決め手として「価格の妥当性」がより重要になっていったのだ。
この流れはスタバにとって喜ばしくないだろう。ただ、市場規模は拡大しているのだから、圧倒的な地位を占めることは難しいとしても、業績を拡大していくことはできるのではないか。今後の動向や企業努力によっては、顧客満足が再び高まることも十分あり得る。スタバの復活に期待したい。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)
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