2020年東京オリンピック・パラリンピックの開幕まで、あと3年。競技会場やホテルの建設が急ピッチで進む。東日本旅客鉄道(JR東日本)は、自社グループが運営するホテルの数と客室を20年頃までに、現在の43ホテル(6293室)から60ホテル(1万室超)にする計画だ。首都圏を中心にビジネスホテルなどを積極的にオープンし、訪日外国人需要を取り込む。
5月にJR秋葉原駅の隣接地に地上9階建ての「ホテルメッツ秋葉原」を着工した。客室の広さが約17平方メートルのシングル向けを中心に196室を完備し、19年秋の開業を目指す。
JR東日本がJRさいたま新都市駅近くにつくった複合商業施設が6月13日に全面開業した。20階建てのビルは新都心駅から屋根付きのデッキでつながっており、徒歩1分の好立地だ。
目玉は子会社が運営する「ホテルメトロポリタンさいたま新都心」。ビルの5~10階に入ったホテルは全157室で、シングル90室、ダブル42室のほか、バリアフリー対応の客室やワンランク上のエグセグティブツインもある。価格は1泊1万9000~5万8000円。
同ホテルが隣接するさいたまスーパーアリーナーでは年間を通してスポーツ、コンサートなどの大規模イベントが相次ぐため、イベント客の需要を見込む。
JR仙台駅東口には、「ホテルメトロポリタン仙台イースト」が6月19日に開業した。仙台駅に直結し、西口のホテルメトロポリタン仙台の別館という位置付けだ。客室は5~14階の282室ある。
このほか、千葉県浦安市に「ホテルドリームゲート舞浜別館」(80室)を17年冬に、千葉県船橋市に「ホテルメッツJR船橋駅前南口ビル」(161室)を17年度末に開業する予定。JR川崎駅の西口開発計画では300室のホテルを準備している。
JR東日本の東京・竹芝の浜離宮恩賜庭園を臨む「竹芝ウォーターフロント開発計画」では、高層棟の上層階に外資系ブランドの誘致を含めて高級ホテルを開設する。客室は265室の予定で、東京オリンピック直前の20年春の開業を目指す。
ホテル業界では、JR東日本が外資系のどの高級ホテルと組むかに関心が集まっている。