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税務申告、不正多い「意外な」業界トップ5…愛人への給与を経費計上も横行

文=さんきゅう倉田/元国税職員、お笑い芸人
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税務申告、不正多い「意外な」業界トップ5…愛人への給与を経費計上も横行の画像1「Thinkstock」より

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな昔話は『大きな株』です。

 おそらく、一般的にみなさんが名前を知っている企業は、ほとんどが大企業です。売上高も資本金も従業員数も圧倒的な数値です。会計上の仮装・隠蔽を行うことも少なく、税務調査で不正を見つける機会もほとんどありません。

 しかし、日本にある企業の数は、およそ400万といわれています。そのなかで大企業は1%未満です。つまり、ほとんどが中小企業なのです。そのため、税務調査を受けるのもほとんどが中小企業です。個人事業者から法人成りしたケースも多く、なんとなく帳簿をつけたり、個人的な支出や自家消費が経費に含まれていることもしばしばで、調査すると非違事項(違法状態)も簡単に見つかります。

 それに加えて、従業員の少なさや創業家ということもあいまって、社長のパワーが強くなり不正もたやすく行われがちです。社長が取引先にちょっと頼めば、納品日や請求日、金額をいじるのは造作もないことです。

 このようなことは、ひとつの取引に多くの人間がかかわったり、社員に不正取引のインセンティブが少ない大企業ではあまり見受けられません。税務調査で指摘されるような、所得金額を操作するための不正は、中小企業独自のものといえます。

 ここで、不正の多い業種ベスト6と不正発見率を挙げてみます。

1位 ソープランド・87%
2位 バー、クラブ・63.2%
3位 外国料理・41.2%
4位 大衆酒場、小料理・38.6%
5位 その他の飲食店・37.0%
6位 パチンコ・36.7%
(国税庁「平成21年度実地調査の状況」より)

「不正が多い」といわれるパチンコより、さらに不正の多い業種として、飲食店が目立ちます。現金商売なので、目の前の売り上げを隠したいという誘惑に負けてしまうと思われます。また、非合法な営業方法を行っている業種は、そもそも納税モラルが低く、確定申告をしていたとしても不正が横行します。ただ、どんな業種でも少なからず不正はあります。そこ今回は、容易に行われる仮装・隠蔽の方法をひとつ紹介いたします。

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