フクロウカフェやヘビカフェ、ハリネズミカフェなど、珍しい動物と触れ合える“動物カフェ”が昨今、人気を集めている。
だが、動物が放し飼いにされている環境ということで、衛生面は大丈夫なのかと不安に思う人も多いだろう。
どのような環境で飲食物が提供されているのか。実際に都内の某フクロウカフェに足を運んだ。
フクロウと同じ空間で飲み食いできるのがウリ
外観は一般的な“オシャレな喫茶店”という風情。店内に入ると、接客スペースの中央に長さ1~2m程度のフクロウ用のとまり木があり、そこには数羽のフクロウがおとなしくとまっている。
部屋の壁沿いには客用のソファと低いテーブルが置かれており、席に座ろうとすると、その背もたれにも1羽、見上げると天井付近のとまり木にも1羽、フクロウがとまっている。飲食をする客テーブルもフクロウの行動範囲内のようだ。
店内は、ほかに家族連れが1組おり、すでに飲食が終わっているのか、席を離れて部屋の中央にいるフクロウと戯れている。
部屋を観察しているうちに、注文したコーヒーが運ばれてきた。一見、普通のソーサーとカップが運ばれてきたが、カップにはフタがついており、飲むときだけフタを開けるようになっている。フクロウは頻繁に羽を広げるので、その羽がカップに入らないようにするための策といったところだろう。
このように、対策はされているようだが、フクロウが近くにいる状況で飲食をしなくてはならず、とまり木付近の床には糞も散見され、お世辞にも清潔なフロアとはいえない。本当に衛生面は大丈夫なのだろうか。食品安全教育研究所代表の河岸宏和氏はこう話す。
「フクロウカフェの環境は、空気中に舞い上がった菌を含む乾燥した糞便を吸い込むことで『オウム病』に感染してしまう可能性も否定できません。いくら店内がキレイに見えても、餌の容器などを洗うシンクと、喫茶に使用するシンク、洗い場は別に設けて、交差汚染することも避けられる設備がないといけませんが、その対策をしているのかどうかは顧客からは確認できないので、安全と言い切ることはできないでしょう」