スポンサーが代わってもアニメ本編には影響ナシ?
東芝のスポンサー降板はまだ確定ではないうえ、『サザエさん』の視聴者層と高須クリニックの客層にはギャップがあるとして、高須クリニックがスポンサーとなることに異議を唱える人もいるので、スポンサーが代わるかどうかは不透明だ。
だが、早くもインターネット上では「もしも高須クリニックが『サザエさん』のスポンサーになったら」という大喜利が発生。登場キャラクターたちが美容外科手術を受けるストーリーを妄想して盛り上がるなど、好意的に捉える声も目立つ。
他方、11月4日に放送された情報番組『せやねん!』(毎日放送)で紹介された高須氏のコメントによれば、「(『サザエさん』に)お金は出すけど内容に口出しはしない」という。仮に高須クリニックがスポンサーに決まったとしても、お茶の間では日曜日の夕方に今まで通りの『サザエさん』を楽しめるだろう。
過去には、スポンサー各社がCM提供を取りやめたテレビドラマにも接触
ここで、高須クリニックが過去にスポンサーを申し出た番組と、それにまつわるエピソードを振り返ってみたい。
2014年1月から3月まで放送されていたテレビドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)。芦田愛菜が演じていた同ドラマの主人公は自らを「ポスト」と名乗っており、これは彼女がかつて「赤ちゃんポスト」に預けられた身であるという経歴に由来する。
赤ちゃんポストとは、親が自力では育てられないと判断した新生児を、匿名で託すことのできる施設。日本では熊本県熊本市の慈恵病院が唯一、「こうのとりのゆりかご」という名称で赤ちゃんポストを運用しているが、その慈恵病院が同ドラマに抗議した。
児童養護施設が舞台の同ドラマでは、ポストのほかにも「ドンキ」(=母親が恋人の男性を“鈍器”で殴って逮捕されたことが由来)などのあだ名が登場するため、同病院は「ドラマの中には感動的な部分、勉強させられる部分もあります」としながらも、「このようなあだ名の使用は視聴者にインパクトを与えるかもしれませんが、被害を受ける子どもの存在が懸念されます」と訴えた。
こうした騒動を経て、同ドラマのスポンサー各社がクレジット表示やCM提供を自粛する事態に発展。そんななか、高須氏はツイッターで「『僕が今からスポンサーになるからしっかりやってくれ』といま日テレと電通に連絡したぜ」「子供たちの演技力に感動した。ポスト最高。こんなに感動的なドラマは久し振りだ」などと発言し、スポンサー各社のスポンサー料の肩代わりをしたうえで、同ドラマのテーマを支持する意向を表明した。
最終的には日本テレビ側の許可が下りず、高須クリニックのスポンサー就任はかなわなかったものの、ネット上では高須氏の思い切りのよさを評価する意見が相次いだ。