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三井不動産の“手厚い”補償の是非が裁判の争点
各社とも、横浜市に調査報告書を提出しているが、内容は非公開だ。裁判で、各社の主張が明らかになる。
裁判の争点になるとみられているのが、三井不動産の破格の大盤振る舞いである。全棟の立て替え費用は310億円。これとは別に、住民に対して手厚い補償を用意した。
建て替えが終わるまで一時的に住む住居の家賃保証は全額、肩代わりする。上限は1坪あたり1万2000円。26坪のマンションに住んでいる人なら31万2000円が支払われる。多くの住民が月30万円前後の家賃保証を得られることになるようだ。また、引っ越し代の実費に加え、諸経費として40万円。慰謝料は全戸一律300万円となっている。
建て替え後については、売却を希望する場合は、三井不動産が新築の販売価格で買い取る。ほかに買い手を探したとしても、三井不動産がメンツをかけて建て直した“新築マンション”のため、購入時より高値で転売できる可能性もある。「三井不動産は札束で頬を叩いて住民との合意にこぎつけた」(関係者)といった皮肉な見方も出ている。
当初390億円とした総費用は、459億円にまで膨らんだ。これを全額、施工3社で負担せよと迫っている。これに対して施工業者側は、「三井不動産が大盤振る舞いしたツケを回すな」と反発しているわけだ。三井不動産と施工3社との隔たりは、あまりにも大きい。
裁判の結果次第だが、三井不動産がかなりの費用を自前で負担する可能性も出てくる。どんな判決が出るのか、注目したい。
(文=編集部)
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