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中国は物乞いも電子マネー利用?訪日中国人が1日中見ている「微信」とは

構成=長井雄一朗/ライター
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――企業のSNS戦略において大切なことはなんでしょうか。

ダニエル SNSマーケティング支援事業において何より大切なのは、「どのチャンネルを使うか」「どのような手法を使って展開するか」ではなく、“距離感の設定”ですSNSを使って企業が情報を発信するということは、お客さまともっとも距離感が近い接点を持つということです。

 ユーザーに対して自分たちは、どのような立ち位置でどのようなかたちで情報発信を行うか。これは、企業風土によっても違います。たとえば、スターバックスとドトールの店員は利用客に対して同じ距離感ではないでしょう。また、ディズニーランドとUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)ではどうでしょう? やはり、違いがあります。

 自社の立ち位置を明確に定義することが、私たちの仕事です。すでにネスレや京セラ、関西電力などと取引をしており、コミュニケーション設計において日本トップクラスの実績を誇っています。特に、企業の「信頼回復」「再構築」というテーマについては臨機応変な対応が可能です。

 最近では、LINEが提供する「LINE@」を活用した販促キャンペーン「LINE@マストバイキャンペーン」というサービスを開始しました。従来のハガキ応募型や専用アプリ型とは異なり、ユーザーが使い慣れたLINEを経由するため参加のハードルが低く、高い販促効果が見込めます。

――SNSを駆使した販売戦略は、より重要になっていくのでしょうか。

ダニエル 今や日常的に使われているSNSを日本企業が活用することは、訪日観光客に向けた来店促進や越境ECなどの面でも重要です。観光客は、来日する前にウェブサイトで情報を得る以外にも、SNS経由で友達から情報を得たり共有されている情報を見たりします。「行ってよかった」という口コミは、“お茶の間”ではなくSNS上で広まります。

 それを裏付けるように、世界各国のSNS広告の市場規模は全体の10%前後まで成長しており、今後もさらに伸長することが予想されます。日本は現在6%程度ですが、同様に急成長していくでしょう。単価はどんどん高くなっているので、早急に検討する必要があると思います。

物乞いですら電子決済…中国のキャッシュレス化

――日本企業のインバウンド戦略は、何がポイントになるのでしょうか。

ダニエル 訪日外国人数は年間2800万人を超えていますが、半分近くは中国圏から来ています。まずは、彼らを取り込むことが大切だと思います。最近、東アジアなどからの観光客も増えていますが、彼らはまだそこまで購買力が高くありません。もっとも人数が多く購買力も高く、さらにこれから増えるのは中国圏からの観光客です。そこを集中して狙って販促活動を行うことが、大きなポイントになるでしょう。

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