うまい棒は、うまい。
サクサクした軽い食感、パンチが効いた味付け。癖になるうまさだ。 駄菓子の王様ともいえるうまい棒だが、長く売れ続けるのには理由があった。
『うまい棒は、なぜうまいのか?』(チームうまい棒著、日本実業出版社刊)は、一冊まるごとうまい棒について書かれた本だ。
うまい棒はなぜうまいのか、本書からその秘密をのぞいてみたいと思う。
うまい棒の穴はなぜ空いている?
うまい棒には穴が空いているが、不思議に思ったことがある人は多いはずだ。この穴はもちろん材料費をケチるためではない。むしろ穴を空ける工程が加わる事で、コストは上がってしまうという。
それでも穴を空けるのには二つの理由がある。
一つ目は食感をよくするため。穴があることによって、かじった時のサクサク感が増すという。例外として、シュガーラスク味は穴が空いていないが、ラスクの食感に近づけるために、あえて空けていないのだそう。
二つ目の理由は強度だ。穴が空いていると衝撃に強くなり、壊れにくくなる。うまい棒は工場から私たちの元に届くまで、長距離輸送をされることが少なくない。また、子どもたちが食べることを考えると、何かにぶつけても壊れにくい強さというのはとても大事なのだ。
最初はこんなに味を増やすつもりはなかった!?
発売当初はソース味しかなかったうまい棒。しかし今では多くの種類があり、それぞれの味にファンがついている。
種類を増やしたきっかけは、売上の波が激しかったことにあるという。さまざまな駄菓子屋で売れるようになったうまい棒。生産が追い付かなくなったため生産設備を増強したが、一時期をピークに「ソース味」の売り上げが落ちてきてしまった。
商品の価格が安いうまい棒は、機械をフル稼働させてたくさん作らないと利益が出ない。そこで生まれたのが「サラミ味」や「カレー味」だった。そして、味を選べるインパクトが人気に火をつける一因になったという。
本書にはうまい棒の魅力がたくさんつまっている。昔からのファンでも意外と知らない事も多いかもしれない。
ぜひ、うまい棒をかじりながら読んでほしい一冊だ。
(新刊JP編集部/ハチマル)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。