EVが北海道で売れる?
昨冬から積雪地帯で二輪駆動のEV(電気自動車)が売れ始めた。次の冬には積雪地でもEVを選ぶ手もありそうだ。北海道で人気のEVは、日産自動車が販売に力を入れ「電気自動車のまったく新しいカタチ。」と呼ぶNOTE e-POWERである。ガソリンを入れておけば電欠の心配がないこともあって、売れ行きは北海道から東北、北陸へと広がっているという。
e-POWERはHV
NOTE e-POWERはエンジンが発電機を回して小型のリチウムイオン電池を充電する。タイヤを駆動するのはモーターである。正確にはEVではなくHV(ハイブリッド車)である。発売直後から人気を博して小型車部門の販売トップに躍り出た。その勢いが降雪地帯にも及んだというわけだ。雪道に強いのだ。
走破性能はエンジンの四駆と同等で、維持費(燃料代)は比べものにならないほど安く、寒い中でガソリンスタンドに行く必要もなく、静かで乗り心地が良い。最新のEVの暖房はフルオートエアコンである。家庭で使われるエアコンと同様のヒートポンプ式だ。航続距離が極端に短くなるわけではなく、暖かい。
シートヒーターやらハンドルヒーターが付く車種が増えてきたこともあり、電池も改良され低温でも性能が落ちにくく、寒冷地で航続距離が短いという弱点もなくなりつつある。どうやら、「EVは雪国では使えない」というのは都市伝説になったようだ。
四駆はABSに勝てるか
滑りにくさを過信して四駆で雪道に出掛けると、下り坂で思わぬスリップ事故に見舞われることがある。滑りにくいのでサマータイヤのままで大丈夫だろうと積雪地帯に出かけてはいけない。四駆も二駆も制動力は同じである。そこで登場するのがABS(アンチロックブレーキシステム)である。
タイヤが滑るのは、タイヤの回転が止まった時(タイヤロック)だ。ブレーキをかけてタイヤがロックすると、路面との摩擦力が急激に低下してしまう。そこでロックしたらブレーキの力を緩め、タイヤを再び回転させ、制動力を確保する。回転を始めて摩擦力を回復できたら、再びブレーキの力を強め、再びロックする――。これを繰り返して制動力を確保するのがABSである。