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幸運を呼ぶミラクルコンサルタント・田中雅子「ゼロからのリーダー学」第3回

タダで起こせるムーブメント

文=田中雅子/田中総研代表
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 さらに、具体的になんとかしたいと思っている業務やプロジェクトがあれば、実際にそれらに従事するメンバーと、関連する分野に一番強みをもっている人たちを集めて、「どう思う?」と聞くと「これはこうしたほうがよい」と意見が出てきます。問題意識をもっている人たちは、「何か解決されるのかも!」という気になり、話がいろいろと進むわけです。

干されてもいい!自らズカズカ現場に入っていけ!

 そうして実際に問題が解決されていって、しかもそれが会社にとっても自分たちにとってもいいぞ! という手ごたえを感じると、各々のメンバーがどんどん自発的に改善を行うようになり、いい方向に回り出すのです。成果が見えてくるので、本人たちもすごくうれしいわけですね

 その時重要なのは、「リーダーは何もしていない」という点です。主役はあくまでメンバー。リーダーは、現場で起きている問題について本質的な解決をするために、上から「やれ!」ではなくて、本当に困っている現場のメンバーがアイディアを出し合って解決する、そういう場をセッティングして、背中を押してあげるだけ。それがリーダーの役割なのです。

 最近の若い人たちは特にそうなのですが、自分たちの行動で成果が出てくると、小さいことであっても本当に喜びます。「これは私たちがつくった!」「それが会社に貢献している!」と体感できるとうれしいわけです。そういう方向に仕向けてあげること、ズカズカと彼らの間に入っていって、それを一緒になって解決してあげること、そのために、目標を設定したり、抱えている問題意識を共有して、小さな変化を起こす「勇気をもつ」ことが大切なのです。

 勇気をもたないと、役職に就いている意味がない。あらゆる役職手当は、管理職にこのような変化を起こすことを、会社が期待して払っている”勇気料金”です。

 現場の業務改善というのは、会社全体にとってみれば小さい変化です。でも小さい変化も起こせない人が、リーダーになってはいけない。時代の変化に対応するために、小さな変化を起こしていかないと、会社の経営は成り立ちません。会社の経営を左右するような大きな変化を起こすのは、経営者や役員クラスの仕事ですが、それも社員の小さい変化の積み重ねの結果です。

 問題解決をしていくうちに失敗することもあるだろうし、部下からの反発もあるでしょう。上司から生意気だといって干されることもあるかもしれません。でも、勇気をもっていろんなことに立ち向かっていくことを、会社は役職手当というかたちで、管理職に託しているのです。

 だから役職に就くチャンスに恵まれたならば、勇気をもって「この業務をやめよう!」と言ってみることが大切です。この訓練をしておかないと、将来家族や家のローンなど背負うものがたくさん出てきた時に、保身に走り、変化に順応できない身体=使えないヤツになってしてしまうのです。

 そうなると部下もついてこず、周囲から退職金2000万円を待つだけの窓際族=「WINDOWS 2000」だと裏口をたたかれ、会社にしがみつくだけの残念なサラリーマン人生になってしまいます。

田中雅子/田中総研代表

田中雅子/田中総研代表

“経営総合コンサルティングファーム” 田中総研代表

大学院在学中に、窮地に追い込まれた家業をいきなり継ぐことになり、稼ぐために外資系企業に入社。1年で部長に上り詰め、ファーストリテイリング(ユニクロ)に転じる。その後、一部上場企業執行役員、子会社社長を経て、独立。現在は、田中総研代表として、経営コンサルティングや企業研修、講演、執筆、テレビコメンテーターなど幅広く活動している、経営コンサルタント。

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