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モス、5年連続の尋常じゃない客数減…マック復活&海外勢上陸ラッシュで「凡庸なバーガー化」

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

高級ハンバーガー店が相次いで日本上陸

 事実、ここ数年はハンバーガー店の勃興が激しい。

 現在、国内で約180店を展開する「フレッシュネスバーガー」や、約130店の「ファーストキッチン」、約100店の「バーガーキング」、約30店の「ドムドムハンバーガー」は近年店舗網を拡大してきているが、それぞれの運営会社は今後も積極的に店舗網を広げていく意向を示している。

 他方、「ロッテリア」はピーク時からは店舗数を減らしているものの、それでも現在国内で約360店を展開しており、店舗数業界2位のモスバーガー(約1300店)に次ぐ3位の規模で存在感を示している。

 また、海外発のプレミアムハンバーガー店の台頭も著しい。15年に「ベアバーガー」や「シェイクシャック」が上陸し、16年には「カールスジュニア」、17年には「ウマミバーガー」、18年には「ファットバーガー」が日本で1号店をオープンしている。

 このように、近年は多くのハンバーガー店が台頭してきている。そして、それらをマスコミはこぞって取り上げてきた。「高級ハンバーガー店のシェイクシャックが日本上陸!」といったニュースを見聞きしたことがある人は少なくないだろう。モスバーガーを取り巻く環境は明らかに厳しさを増している。大乱世と言っても言い過ぎということはないだろう。こうした状況の中で平時の施策を行っていては、埋没してしまうのは明らかだ。

 モスバーガーのポジショニングが変わってしまったことも見逃せない。以前はモスバーガーを高級ハンバーガー店とみなしていた人が少なくなかった。しかし、さらに高級なプレミアムハンバーガー店が台頭したことでモスバーガーの高級感が薄れてしまい、中価格帯の中途半端なポジションに追いやられてしまっている。

 そうしたなかでも、ブランドを明確に定義づけたり、存在感を発揮できるような施策を打ち出すことができれば埋没することはなかったと思われるが、残念ながらそれができなかった。

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