評判の週プレ酒場に行ってきた。「週刊プレイボーイ」(集英社)が創刊50周年を記念して歌舞伎町のど真ん中に2017年に開業したものだ。なんと現役のグラビアアイドルが店内におり、かつ個室バーでカウンター越しにグラドルとおしゃべりできるというシステム。バーのお値段は1時間1万円で予約制。定員は5人で、入れ替わりで3回バータイムがある。
また、週プレ酒場では『週プレ劇場』と銘打ち、週プレ編集部主催の特別イベントを定期開催している。ホリエモン、ひろゆきほか、同誌連載陣をはじめとする著名人をゲストに招いたトークショーなどを開催している。まさにリアル週プレというわけだ。
7月の土曜日の夜、行ってみると店内はほぼ満員。壁には人気グラドルの特大水着写真が貼られ、もう一方の壁にはかつて週プレに掲載された金髪美女のセミヌード写真と俳優などの男性へのインタビュー記事がドカンと貼られている。男たちは昔のやくざ映画みたいな迫力だ。
「あー、これこれ、これが週プレだよなあ」と感じる。セックス・アンド・バイオレンス、というと今どきちょっと誤解を招くかもしれないが、でも、実際こういう写真を見ると、男って盛り上がるんだよね。
客層はアラフォー男子がほとんど。普通の男子である。が、うーん、想像だけど、未婚率が高そう。同じ新宿の人気居酒屋だと、スーツ姿で決めた男子が多いし、カップルも多いが、週プレ酒場はスーツは少ないし、当然カップルはいません。
グループで来て、5人でバーに入り、バータイムが終わるとまた飲む、というパターンも多いようだ。一方、バーには入らず、ひたすらひとりで飲む男子もいる。だが実に楽しそうである。ニコニコしながら人気グラドルの登場を待っている。まあ、これが昭和30年代の繁華街の横丁の安いバーで、ちょっときれいなホステスが来る日を目指して小遣い貯めて来る男だとしたら、そういう男ってきっと昔からずーっといたよね。
バーに入りたいが1万円は無理だーっという人には、2時間3000円飲み放題、食べ放題で店内で飲んでいると、1時間単位のバータイムのインターバルに、グラドルがちらっと顔を出して店内を歩いてくれる、という実に週プレらしい民主的なサービスもある。
特別人気のグラドルになると、バーのネット予約が「瞬殺」で埋まるそうで、その一番人気グラドルの登場する日を取材した。
当日のグラドルさんは階戸瑠李(しなと・るり)さん。週プレ酒場でも一番人気だという。なるほどセクシーで知的な美人だ! なんと上智大学卒でドイツ語学科だと。学生時代からグラドルになり、卒業後は一般企業に就職したが、やはりグラドルの道を捨てきれず、会社を辞めたんだそうだ。
将来は本格的に女優を目指して、こつこつ舞台にも出ている。しかも今は英会話を勉強中という努力家のインテリだが、ひとたびカメラを向ければ、そこはプロ。悩ましいポーズを次々と決めてくれます。さすがっ!
当日は、私の前のお客さんに気前よくドンペリをごちそうになったそうで、ちょっと酔ったとか。でもドンペリを飲む姿がまた悩ましいですなあ。
そして彼女がバーから出て店内を巡る時が来た。すると、客たちが群がり、彼女の写真を撮る。ああ、うれしそうだな。アラフォー男子よ。セクシーポーズだけでなく、ピースサインポーズやガッツポーズなど、ご希望に添ってくれる。ツーショットもできます。うーん、これははまるかもね。
(文=三浦展/カルチャースタディーズ研究所代表)