その安さと独特なレイアウトで来店客の心を掴んで離さないディスカウントストア、「ドン・キホーテ」。多くの食品や日用品が他チェーンを凌ぐ低価格で販売されているドンキに足を運ぶと、ついつい買う予定のなかった商品にお金を落としてしまうこともあるだろう。
そんなドンキの店頭では、プライベートブランド「情熱価格」の商品も展開されている。同ブランドの商品の多くは、PBならではの低価格で販売されており、高いコスパを誇るもの多い。しかし、一部、評判が芳しくない商品や、快適に使える人が限られてしまう商品が紛れていることもあるようだ。
そこで、今回はドンキが手がける「情熱価格」の、この秋買うなら”要注意”な商品をピックアップ。その使用感とともにご紹介するので、買い物の参考にしていただけると幸いである。
貼らないカイロ/498円(税抜き、以下同)
これから秋が深まるにつれて寒さが増し、カイロを持ち歩きたくなる日も出てくることだろう。カイロのような消耗品をPBブランドなどで安くまとめ買いすること自体は賢い選択といえるだろうが、「情熱価格」から出ている「貼らないカイロ」の購入を検討しているなら、注意が必要だ。
こちらは30個入りで498円というお得な商品。しかし、「20時間持続」との触れ込みで販売されているにもかかわらず、購入したユーザーから「それほどの持続力は感じられない」と指摘する声が上がっているのだ。
そこで、実際の持続力を確かめるために使用してみた。確かにカイロの温かさは開封から13~14時間後まで持続していたものの、15時間後には冷たくなってしまっていた。しかし、15時間持続してくれるなら、日中出かける分には快適に使えるだろう。コスパ重視の方や、売り文句とのギャップを許容できる方にとっては、十分”アリ”な商品かもしれない。
除菌パイプクリーナー ジェルタイプ/198円
髪の毛や汚れの蓄積が原因で排水溝が詰まってしまったときに活躍してくれるのが、パイプ用洗浄剤。「情熱価格」からも、しつこい汚れにアプローチしてくれる「除菌パイプクリーナー ジェルタイプ」がリリースされている。こちらは、他社の競合商品よりも安い価格で販売されているが、機能性にはまったく問題がなく、コスパの良い商品だ。
だが、フタが固すぎて開けづらいという欠点がある。どのくらいかというと、一般的な成人女性が自然にボトルのフタに手をかけて力を込め続けてもびくともしないレベル。力に自信のない方にとっては少々不便な商品となっているのである。
大盛り 極辛アラビアータ 辛さ15倍/188円
「情熱価格」は食品のラインナップも豊かだ。「薫麦 食パン 6枚」や「あえるパスタソースペペロンチーノ」など、あると嬉しいスタンダードなものから、「カップラーメンが更に旨くなる魔法の粉 プレミアム」など、「そう来たか!」と思わせるような個性的なものまで幅広く用意されている。
そんなドンキの企画力が光る商品のうちのひとつに「大盛り 極辛アラビアータ 辛さ15倍」がある。こちらは、その名の通り、唐辛子を効かせたトマトソースであるアラビアータを、激辛に仕上げたもの。だが、この商品は美味しく食べられる人を限定してしまうかもしれない。
というのもこの商品、実食した購入者たちから「辛すぎる」との指摘が後を絶たないのだ。実際に食べてみると、噂通り、かなり辛い。辛さに耐性のある人が食べても辛いと感じるレベルだろう。しかも、この商品はご親切に大盛り仕様になっており、ボリューム満点。この辛さでこの量なら、食べきれない人も多いはずだ。
言うまでもないが、商品名で「極辛」と謳っているのだから、ドンキ側には何の非もないし、むしろその名にふさわしいクオリティを実現しているともいえる。とはいえ、本当にかなり強烈な辛さのため、購入する際は気を付けていただきたい。
燻製牡蠣オイル漬け/128円
先に紹介した「大盛り 極辛アラビアータ 辛さ15倍」のほかにも、「情熱価格」から販売されている食品のなかで物議を醸しているものがある。それが「燻製牡蠣オイル漬け」だ。こちらは、燻製にした牡蠣をオリーブオイルに漬けた手の込んだ一品が、128円で買えるという商品。
さすがは「情熱価格」……と言いたいところだが、この商品の味わいに関して、実際に購入して食べたユーザーたちからは”あんまり味がしない”との指摘もある。確かに実食してみても、牡蠣そのものの味わいはあまり感じられなかった。
指摘があった味の薄さのほかにも、もともと独特な風味のある牡蠣を燻製にしていることで、かなりクセの強い味わいに仕上がっているのも気になった。これは美味しく食べられる人をかなり選ぶかもしれない。しかし、本来の牡蠣とは別物としてこの味を楽しめる方にとってはコスパも良く、十分”アリ”な商品だろう。
ラバー歯ブラシ 固め/50円
多くの人にとって”消耗品”というイメージが強いであろう、歯ブラシ。特に、歯を磨くときにどうしても力が入ってしまうという人にとっては、歯ブラシの消耗も速いため、1本1本にお金をかけたくないというのが本音ではないだろうか。
そんななかで、「情熱価格」から販売されている「ラバー歯ブラシ 固め」は、なんと1本50円。その値段を聞くと飛びついてしまいそうにもなるのだが、ちょっと待ってほしい。2019年秋に掲載した当サイト記事『ドンキ、激安でも買ってはいけない商品5選…ボロボロになる歯ブラシ、洗えない食器用洗剤』でも紹介したが、数回使っただけですぐにボロボロになってしまうという短所があるのだ。
今回、あらためて使ってみたところ、やはり何度か使うとすぐにブラシの毛がボサボサと広がってきてしまう。しかも、少し力を入れて磨いただけで柄の部分がグニャっと曲がるため、やや心許ない気もした。使い捨て用にしたり、緊急時用や来客用にするといった使い方であれば十分なクオリティだが、普段使い用の歯ブラシを探しているのなら、少し値が張っても他のメーカーに頼るべきだろう。
今回はドン・キホーテの「情熱価格」から、購入の際に注意が必要な商品を紹介した。しかし、どれも用途や使う人によっては十分にその実力を発揮してくれるので、一概に悪い商品とはいえない。自分の目的や許容範囲を明確にしたうえで購入すれば、失敗も防げるだろう。
(文・取材=A4studio)
※情報は2021年9月21日現在のものです。
※価格は購入価格です。店舗や時期によって変動する可能性があります。