家電量販店最大手のヤマダ電機が10月18日、2019年3月期連結業績予想の下方修正を発表し、激震が走った。売上高は従来予想から4%引き下げて1兆6440億円とした。最終的な儲けを示す純利益は当初、前期比50%増の448億円を見込んでいたが、一転して減益となる153億円に引き下げた。
今夏は記録的な猛暑によって家電量販店には追い風が吹いた。ノジマは猛暑の影響でエアコンが好調だったことを理由のひとつとして挙げ、18年4〜9月期連結業績予想の上方修正を発表している。売上高は前回予想から1.3%、純利益は20%も引き上げた。コジマはエアコン販売最需要期の7月にエアコン販売が好調だったといい、それにより7月の既存店売上高は前年同月比4.1%増となった。
なお、エアコンに関しては7月が書き入れ時となる。調査会社のGfKジャパンによると、7月はエアコンの年間販売の3割程度を占める最需要期になるという。そうしたなか、今年7月の家電量販店におけるエアコンの販売台数が前年比12%増と大幅に増えたという。平年比だと21%増にもなる。
もっとも、今年のエアコン販売は年始から好調だったようだ。GfKジャパンによれば、1、2月は平年よりも気温が低かったことで暖房需要が高まり、3月以降は一転して高温傾向が続いたため冷房需要を取り込むことができたという。その結果、1月から7月にかけてすべての月で前年同月を上回った。1〜7月のエアコン販売台数は前年比12%増で、平年比では14%増だった。
このことを示すかのように、エディオンでは18年4〜6月期においてエアコン販売が好調だった。前年同期比9.8%増と大きく伸びたのだ。商品カテゴリー別の売上高では、エアコンが最大シェアを誇っている。ケーズデンキも同様で、18年4〜6月期のエアコン販売は11.5%増と大きく伸びている。同社でもエアコンが最大シェアを誇っている。
このように、各社はエアコン特需に沸いた。もっとも、好調なのはエアコンだけではない。09年に導入された家電エコポイント制度から10年が経過し、家電全般の買い替え需要が高まっており、それにより各社とも家電全般が好調だ。エディオンは好調なエアコンに引き上げられるかたちで家電全体の販売が伸び、18年4〜6月期は前年同期比3.4%増となった。ケーズデンキも家電全体の販売が好調に推移し、18年4〜6月期は前年同期を上回っている。