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ヤマダ電機はこの前橋店のオープンを機に、家電に加えて家具やインテリア雑貨を扱う新型店「家電住まいる館YAMADA」の展開を始めた。店舗数を急速に増やしており、現在全国に約50店を展開している。わずか1年ちょっとでこれだけの店舗数を展開しており、力の入れようのほどがわかる。
ヤマダ電機は住宅関連事業を強化するため、グループの再編も行っている。今年10月にヤマダ・エスバイエルホーム(旧エス・バイ・エル)やヤマダ・ウッドハウスなど住宅関連事業を手がける連結子会社4社を合併し、社名を「ヤマダホームズ」に変更している。4社の技術やノウハウを集約し、販売力を強化したい考えだ。
このように、ヤマダ電機は住宅関連事業に力を入れているわけだが、今のところ十分な成果を出せていない。ヤマダ・エスバイエルがヤマダ電機の傘下に入った12年2月期から直近の18年2月期まで、純損益で黒字を計上できたのはたった2期のみとなっている。18年2月期は28億円の最終赤字を計上した。同社の不振がヤマダ電機の連結業績を悪化させる要因となっている。
住宅関連事業の悪影響は家電販売にも及んでいる。既存の店舗において住宅関連の商材などを扱うようになったが、家電の売り場を割いてこれに充てており、それにより家電販売が落ち込んでいるという面があるのだ。猛暑による空前のエアコン需要や家電の買い替え需要という絶好の機会があったにもかかわらず、ヤマダ電機は住宅関連事業に力を入れていたために、その好機を生かせなかったといえるだろう。
こうしてヤマダ電機は一人負けとなってしまった。住宅関連事業は長期的に見ていく必要があるだろうが、本業の家電は喫緊に抜本的なてこ入れが必要といえるだろう。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)
●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。
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