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公務員の心身を蝕む、業務ミスによる自治体からの損害賠償請求…個人で保険加入も

文=編集部
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兵庫県公式サイトより

 読売新聞オンラインは14日、記事『排水弁閉め忘れた県職員が300万円弁済…公務員個人のミス、自治体からの賠償請求が増加』を公開した。自治体が業務上のミスで生じた損害を、職員個人に賠償請求をする事例が増えていることを伝え、インターネット上では「これ絶対やっちゃいけないやつ」「えぐい」などと驚きの声が広がっている。「公務員個人のミス」は14日午後、日本国内のTwitterでトレンド入りした。

 同記事では、昨年11月、兵庫県庁の貯水槽の排水弁を担当の50代職員が約1カ月間閉め忘れたことが発覚し、県は職員を訓告処分にしたうえで、ミスで生じた水道代約600万円のうち、半額の約300万円の弁済を請求した事例などを紹介。総務省の統計を示し、自治体が職員個人に賠償を請求したケースについて「1995~98年度の4年間は45件だったが、2009~11年度の3年間は54件、16、17年度の2年間は51件と増加傾向だ」と報じた。

職員個々人が損害賠償保険に加入している事例も

 東京都職員男性はこうした風潮に嘆息する。

「こうした事例が増えているから、最近は個々人で公務員賠償責任保険に加入せざるを得なくなりつつあると思います。特に医療従事者は加入している人が多い印象です。当然、税金の無駄遣いやミスがあってはならないので日々、仕事に真剣に取り組んでいます。いざミスが発覚して数百万の賠償を負うことになれば、家庭が崩壊してしまいます。それでも誰だって、常に心身ともに100%の状態ではいられませんよね。

 とにかく多重チェックの労力がものすごくかかっています。ミスを減らすために長時間労働し、そのために疲労してしまい、ミスを起こしそうな状況になるという、よくわからない現場も見かけます」

 読売新聞の報道にあるように民間企業は、企業自体が保険に加入し、ミスが生じた際は組織として賠償する事例が多いだろう。自治体の現状とは対照的だ。そもそも公務員賠償責任保険とはどのようものか。2018年に自治労共済生協が配布していたパンフレットでは、以下のようなものが対象になると説明していた。

・住民監査請求による監査委員の賠償勧告の措置に基づく損害賠償請求・返還請求(住民訴訟の前段階)

・地方自治法243条の2等による首長からの弁償請求・損害賠償命令の決定(会計職員及び予算執行職員等の賠償責任も対象)

・国家賠償法2条2項による自治体(記名法人)からの求償(公の営造物の設置・管理責任)

・セクハラ・パワハラの争訟費用(故意の場合は免責。損害賠償金は支払い対象外)

・民事訴訟・民事調停等に対応争訟(訴訟、仲裁、調停または和解等)で生じた弁護士費用等。(予め保険会社の同意を得て支出した費用に限る)

・専門職(看護師・保育士・幼稚園教諭等)の業務に起因する請求。

 全日本自治団体労働組合(自治労)中央本部の報道担当者は次のように説明する。

「どの程度、(保険の)加入者がいるかは統計があるわけではないので正確なところはわかりません。私どもが民間の保険会社と提携して組合員に紹介している保険以外にも、民間の保険商品を契約している組合員はいると思います。法律の範囲を超えた行為に関しては別ですが、報道にあるようなミスでいきなり裁判に持ち込まれてしまう事例もあります。組合としては、公務上のことなのだからまず自治体として対応すべきだと主張しています」

 なお、当編集部では今年2月9日付の記事『兵庫県職員、業務上ミスで300万円を個人弁済…住民が公務員個人を提訴・責任追及の風潮』で前述の兵庫県の事案を詳報している。

BusinessJournal編集部

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