サッカー横浜FCは15日、同クラブCEO小野寺裕司会長名で、サッカー評論家のセルジオ越後氏がYouTube上で、同チームと三浦知良選手の関係について発言した内容を「事実無根」だとして抗議声明を発表した。
問題となっているのはYouTubeチャンネル『セルジオ越後チャンネル「蹴球越後屋」』で12月3日に公開された動画『【辛口激励!】カズよ、裸の王様になるな!』だ。
セルジオ氏「プレーヤーとして無理」「クラブがカズを利用」
セルジオ越後氏は三浦選手の現状に関し、「プレーヤーとしては無理でしょうね」「1シーズンで1点もとれない、あるいは出場試合数が少ない」「これ責任問題じゃないですかね、雇っているほうの」などと批判した上で、「彼(三浦選手)がCMに出てクラブにお金が入る」「それが財源になって戦力がアップする」「彼がいなくなったら横浜FCは大変なことになる」「ただ、それでお金が入ればいいもんだったら、それはちょっと(カズが)利用されているみたい」などと発言していた。
横浜FC側が『セルジオ越後氏のYouTube動画発言に関して』と題し、公式サイトに掲載した声明では、上記の発言に関し以下のように強く抗議している。
「当クラブは、三浦選手がCMに出演すること等により収入が得られるような契約は一切しておらず、YouTubeにおけるセルジオ越後氏の発言は事実とは異なり、三浦選手のCM出演等により収入を得たことはなく、当然その収入により戦力をアップさせた事実もありません。
あたかも当クラブが三浦選手のCM収入等の財源として戦力をアップさせようとし、三浦選手を利用しているかの印象を与える内容を強調して配信しており、当クラブとしてはこの指摘については大変遺憾であり、このままでは虚偽の内容が拡散されることにより当クラブの名誉が著しく毀損されるものと考え、やむなく本リリースをさせていただくことといたしました」(原文ママ)
セルジオ越後氏の動画内容や横浜FCの抗議に関し、首都圏近郊のあるクラブ関係者は次のように語った。
「セルジオさんの辛口批評は今に始まったことではなく、少なくとも選手のプレースタイルやクラブの育成方針といったテーマであれば、ここまで大事にはならなかったのではないでしょうか。ですが、今回はビジネスの話です。三浦選手とクラブの契約の現状をしっかり把握し、ファクトを示したたうえでの発言だったらまだしも、あの動画の内容では……。
セルジオさんが、解説や評論を通じて日本のサッカー振興に少なからず尽力されてきたことは事実です。だからこそ、視聴者が『こんなビッグネームが言っているのだから、公にはされていないけれど、本当にそうなんだろうな』と受け取ってしまう可能性もあります。同じような発言があれば、うちも横浜さんと同じように抗議したと思います」
(文=編集部)