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鈴木貴博「経済を読む“目玉”」

グーグルら巨大IT企業の自動運転技術は、コンセプト面で日本車メーカーに歴然たる差

文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役
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 トヨタでいえば17年にレクサスの一部機種にこの機能が導入され、トヨタブランドの中上位車種にレーダークルーズコントロール機能が導入され始めています。日産の場合、セレナ、リーフ、エクストレイルといった一部の乗用車にプロパイロットというブランド名でこのレベル2の技術が導入され、19年にはラインナップが拡大される予定です。また、ホンダでもアダクティブ・クルーズ・コントロールは幅広い車種に導入されています。

 古くからこのレベル1、レベル2の技術に取り組んできたといわれているのがスバルで、インプレッサからフォレスターまで、かなり幅広い乗用車ラインナップにアイサイトというブランド名のレベル2の自動運転技術を搭載しています。

 このアイサイトは高速道路などで使う運転支援技術で、ドライバーがハンドル操作やアクセル、ブレーキ操作をしない場合でも、一定のスピードで走行し、前の車がいれば減速し、いなくなればまた加速して元のスピードに戻るという機能です。渋滞時にはのろのろと自動で前の車についていってくれるので楽ですし、混雑走行時にも一定の車間を確保しながらスムーズにカーブも曲がってくれるので、ドライバーの運転の負担がかなり軽減されるという評判です。

 あくまで私見ですが、現在、市場に出ている国産車のレベル2の自動運転技術の導入車両の中で、パフォーマンス的に一番優れていると感じるのはスバルです。とはいえ、これから他社でも優れたレベル2の技術が、より安価な価格帯の乗用車に対しても搭載されるようになるでしょう。

これまでとは違ったタイプのAI技術が必要

 さて、この現在の自動運転技術と、これから先に進むための技術は何が違うのでしょうか。それを論じるために、現在のスバルの技術についてみてみたいと思います。

 スバルの技術は、そのブランド名がアイサイトというとおり、人間の目と同じような見え方をする2つのカメラを用いて、前方の状況を観察し認識するという技術です。コンセプト的には高速道路におけるレベル2の技術としては明快な考え方で、要は前方を走る車を認識し、2つの目で距離を測る。そして前方に続く道路の白線を認識し、曲がり方や距離を把握することで走行ルートを認識する。この2つの目さえ備えていれば、高速道路の走行は(あるレベルで)機械に任せておくことができるようになるという考え方です。

鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

事業戦略コンサルタント。百年コンサルティング代表取締役。1986年、ボストンコンサルティンググループ入社。持ち前の分析力と洞察力を武器に、企業間の複雑な競争原理を解明する専門家として13年にわたり活躍。伝説のコンサルタントと呼ばれる。ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)の起業に参画後、03年に独立し、百年コンサルティングを創業。以来、最も創造的でかつ「がつん!」とインパクトのある事業戦略作りができるアドバイザーとして大企業からの注文が途絶えたことがない。主な著書に『日本経済復活の書』『日本経済予言の書』(PHP研究所)、『戦略思考トレーニング』シリーズ(日本経済新聞出版社)、『仕事消滅』(講談社)などがある。
百年コンサルティング 代表 鈴木貴博公式ページ

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