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問題は、深山英世氏が非常勤の相談役として残ることだ。「体制刷新が本当にできるのか。“院政”になるのではないか」(不動産業界のアナリスト)との疑問が残る。
2020年3月期の売上高を19年同期比1%減の5022億円、最終損益で1億円の黒字(19年3月期は686億円の赤字)と見込んでいるが、施工不良の物件の大半は未改修だ。今後の調査で不良物件がさらに増えると予想されており、費用が膨らむ恐れがある。通期の入居率を85.2%と見込んでいるが、ハードルはかなり高い。ブランド力低下に伴う入居率の低迷が考えられるからだ。
レオパレス21は、地主からアパート建築を受注し、完成後に一括借り上げをして転貸する「サブリース」形式をとっている。入居率が80%まで下がると、地主に支払う固定家賃とレオパレス21が手にするアパート賃貸料が逆ザヤになると試算されている。4月の入居率は82.35%と、過去1年間で約10ポイント低下した。
宮尾新社長は「経営陣の刷新の一番の目的は、企業風土の改革。外部の知見、経験を入れて取締役会を活性化したい」と語った。さらに「問題を今年度中に解決し、来年度(2020年度)にはすべての物件で募集を再開して業績を回復させたい」としたが、一度失った信頼の回復は極めて難しい。特に、法人需要を回復させられるかが経営再建のポイントになる。
ずさんな工事が長期間にわたって蔓延していた背景には「創業家に対してモノが言えない空気」があったからだ。こうした企業風土は、一朝一夕には変えられない。経営陣や社員の「リスクに対する感度の欠如」により、「自ら解決を図る機会もあったのに見過ごした」という点を軽視してはいけない。レオパレス21は、自浄能力を発揮できるのだろうか。
(文=編集部)
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