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東京五輪に沸く株式市場、ストップ高・年初来高値更新銘柄を整理…意外な注目銘柄も

東京五輪に沸く株式市場、ストップ高・年初来高値更新銘柄を整理…意外な注目銘柄もの画像1「日本オリンピック委員会 HP」より

 9月9日の東京株式市場は東京五輪決定を受けて、建設や不動産、スポーツ用品メーカーなどに買い注文が殺到した。値幅制限いっぱいのストップ高まで買われる銘柄や、年初来高値を更新する銘柄が続出した(詳細は、文末別表のストップ高<一時を含む>、年初来高値更新した五輪関連の主要20銘柄を参照)。

 東京五輪事業最大の魅力は、インフラの整備である。東京都は2020年東京五輪のために、東京湾岸地域に水泳やバレーボール、バドミントンの競技施設などの新設、増改築に1300億円を投じる。関連施設への総投資は4500億円としている。

 これと並行して東京湾岸の幹線道路の整備も進められる。すでに着工している東京外かく環状道路は20年までに開通する見通し。晴海地区と都心を結ぶ道路などの輸送インフラの整備が進む。

 首都インフラを担う中核的な銘柄に買い注文が集まった。建設ラッシュをあてこみ、大手ゼネコンは大成建設が13.76%、鹿島が9.70%、清水建設が8.54%の上昇となり、いずれも年初来高値を更新した。大成建設は国立競技場を作った会社。首都圏での工事比率が高い。これまでの実績から、建て替えを予定する新・国立競技場を受注できるのではないかとの思惑が働いている。

 鉄道と道路の建設に強い鉄建は35.71%、東急建設も33.33%の大幅上昇でストップ高となり、年初来高値を更新した。両社は、9日の東証1部値上がり率ランキングの1位と2位だ。

 体育館など大張間構造建築のパイオニアであり、文教関係施設に強い巴コーポレーションは、23.05%上昇でストップ高(80円高)をつけた。

 老朽化が進んでいる橋梁の更新や補修が進むことから、橋梁業界トップの横河ブリッジホールディングスは10.12%上昇。セメント需要が高まる住友大阪セメントも7.80%上昇し、いずれも年初来高値を更新した。オリンピック関連施設の建設を合わせて16~19年に累計で300万トン以上のセメント需要が発生するという試算がある。太平洋セメントも年初来の高値、400円をつけて終値は390円。

 不動産関連では、投資用マンションの陽光都市開発(JQ)が33.11%上昇でストップ高。中国の富裕層が投資目的で購入するという材料で買われたが、こういう材料株は長続きするかどうか疑問だ。

 羽田空港ターミナルビルの家主である日本空港ビルデングは8.36%上昇し、年初来高値更新。羽田空港の国際線の増加に加え、五輪開催で利用者増が大きく見込めることから業容拡大につながるとして買われた。

●スポーツ用品メーカー銘柄も軒並み上昇

 スポーツ用品メーカーは軒並み値を上げた。水野正人元会長が招致委員会副理事長を務め、日本選手の公式ウェア、シューズを提供するミズノは11.19%の上昇。スポーツウェアのデサントは4.62%、バスケット用品のゼット(東証2部)は6.73%、それぞれ上昇し一時、ストップ高。スポーツシューズの国内シェアが5割のアシックスは、5.35%上昇し年初来高値を更新した。

 スポーツ施設ではスイミングスクール運営のジェイエスエス(JQ)が15.15%上昇しストップ高、フィットネスクラブの草分けセントラルスポーツが5.83%アップして年初来高値を更新した。

 存続が決まったレスリングで有力選手を抱えるALSOK(綜合警備保障)はご祝儀買いも加わり5.97%上昇し、ストップ高(400円高の2260円)をつけ年初来高値を更新。スポーツ選手のマネジメントで知られるサニーサイドアップ(JQ)は21.54%上昇し、一時ストップ高。陸上競技場などトラック施工などスポーツ施設の資材を扱うクリヤマホールディングス(東証2部)はストップ高(300円高の1500円)となり終値は22.83%高となった。

 観光関連では帝国ホテル(東証2部)に買い注文が殺到して値がつかなかった。終値は700円高(19.15%高)の4355円で取引を終え、年初来高値を更新し、値幅制限いっぱいの上昇となった。

●前回東京五輪では57.0%も株価上昇

 投資アナリストの中には、五輪関連銘柄で長期的に業績拡大が期待できるのが日本空港ビルデング、穴株はクリヤマHDと見る向きがある。

 五輪開催国の株式相場の騰落率は経済効果が波及した開催直前より、7年前の開催地が決定した年に盛り上がる傾向が強い。過去の例に従えば五輪関連銘柄は今が買い時ということになる。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、1964年10月10日に開幕した前回の東京五輪を見てみると、開催決定(59年5月26日)から開幕までの日経平均株価の上昇率は57.0%。この間に一時最大で131.9%上昇している。はたして、今回はどうなるのであろうか。

BusinessJournal編集部

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