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コンビニ親子丼、No1はセブン?ローソンは抜群のクオリティだが高額がネック

文・取材=A4studio:外部執筆者
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コンビニ親子丼、No1はセブン?
「Getty Images」より

 とろとろ食感の卵と優しい出汁の味わい、そしてごろっとした鶏肉のうまみ……。日本人が愛してやまない丼メニューのなかでも、とりわけ老若男女に愛されているイメージがある親子丼。

 決め手となる卵のとろとろ具合や奥深い出汁の味わいなど、なかなか家庭で再現できない要素も大きいので、親子丼を食べたいときは和食料理店、定食店、蕎麦店に足を運ぶという人も多いことだろう。だが、今はコンビニ各社が出している親子丼のクオリティもかなり上がっていることをご存じだろうか。

 そこで今回は、セブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソンのチルド親子丼を実際に購入して食べ比べを行い、出汁の特徴や食べ応え、具材の違いなどを徹底比較してみた。

 そのうえで、本記事の総評パートでは味の良さ、コストパフォーマンスの両面から判断した、“買って損なしのコンビニチルド親子丼No.1”を忖度なしで選ばせてもらったので、コンビニでのお買い物時の参考にしてもらえれば幸いだ。

 ちなみに今回は公平性を期すために、有名店とのコラボ商品や、季節限定の商品は選んでいないので、予めご了承いただきたい。果たして、No.1に輝いた“コンビニ最強親子丼”はどこなのか。さっそく検証していこう。

セブン「とろっとろ玉子の親子丼」/464円(税込、以下同)

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 まず紹介するのは、コンビニ業界シェア堂々の第1位、セブンの親子丼。今回の3品のなかで最安値の商品である。

 セブンは東北限定の「東北限定 とろっとろ玉子の親子丼」(464円)、そして静岡県限定の「お出汁が香る特製親子丼」(464円)、近畿限定の「炙り鶏の特製親子丼」(496円)と、計4種もの親子丼を出している。今回はそのなかでも一番販売地域の広い「とろっとろ玉子の親子丼」をセレクトした。

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 容器は丸みを帯びた四角形で、上部の卵あんと下部のごはんで分かれた二重底仕様。加熱時間は500wの電子レンジで3分30秒となっている。かなりたっぷりとつゆが入っているのが見て取れるが、その味わいはどんなものなのだろうか。

 加熱が完了すると、辺りにほんのりと出汁と醤油とみりんの入り混じった、食欲を刺激する甘い香りが漂い始めた。具材はゴロゴロとした鶏肉が5個ほど入っているほか、長ネギの青い部分と白い部分の両方が入っていた。ごはんの量は普通サイズのお茶碗一杯ほど。

 一口食べてみると、とろとろの卵とかつお節ベースの出汁のうまみ、程よいバランスの醤油とみりんが渾然一体となり、非常に美味しくいただけた。卵はレンジで加熱したときによく見られるポツポツとした気泡はあったが、舌触りは滑らか。味に突出した個性はないが、多くの人がイメージする“最大公約数の親子丼”をきっちりと届けてくれる手堅い味で、実に好印象だった。

ファミマ「ふんわりたまごとだしが決め手の親子丼」/498円

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 次は、現在業界シェア第2位のファミマの親子丼を紹介していこう。

 ファミマの親子丼は、沖縄を除いた北海道、東北、関東、東海、北陸、関西、中国・四国、九州で販売されている。特筆すべきは、今回選んだ大手コンビニ3社の親子丼のなかで唯一、“七味”が付属していることだろうか。

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 容器の形状は丸みを帯びた四角形。二重底仕様になっており、上部は卵あん、下部はごはんとなっている。気になったのがごはんの容器で、若干ではあるが下に行くにつれて先細っていく、いわゆる“底絞り”になっていた。加熱は500wの電子レンジで3分30秒。

 蓋を開けると、かつお節と昆布の出汁と甘味を感じさせる、かなり強い香りが辺りにバッと広がった。出来立ての卵あんをそっとごはんに移し、付属の七味をパラパラと振りかければ完成。具材は小口切りの青ネギと小ぶりの鶏肉が4個ほど。ごはんの量は小さめのお茶碗一杯ほどとなっていた。

 実食してみると、香りに感じた印象どおり、かなり強めの出汁のうまみと甘みが広がった。パンチ強めのジャンキーな味わいの親子丼といった印象である。卵はレンジ加熱したポツポツ気泡が多めで、柔らかいがとろとろというよりスポンジケーキのよう。鶏肉は小粒だが味はしっかりと感じられた。特徴的な七味も香りは強いのだが、食べ進めていくうち、強めの甘さに風味がかき消されてしまった感が否めないのは残念ポイントか。

ローソン「備長炭焼き親子丼」/635円

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 最後はシェア第3位のローソンが提供しているチルド親子丼を実食していこう。

 セブン、ファミマともに400円台後半だったが、ローソンは強気の600円台前半。否が応でも味のクオリティに期待がかかる。                                           

 本品は、ローソンの一部店舗に設置されている店内キッチンでつくられる弁当ブランド“まちかど厨房”のラインナップ商品。少々入手が難しいのだが、一部店舗では混雑状況次第では事前に電話予約して受け取りに行くことも可能なようで、今回はこの方法でゲットすることができた。

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 容器は丸型でコンビニ親子丼にしては珍しい一重底仕様。一見すると卵あんがごはんに染みすぎてしまいそうだが、そこは出来立てを提供する“まちかど厨房”の自信ゆえか、あえて二重底にはせず、染みすぎる前に食べてもらう算段なのだろう。加熱は500wの電子レンジで1分40秒となっている。

 封を開けたときの香りは意外にも弱め。具材に関して、やはり一番目を惹くのは、通常の卵あんの上にデカデカと乗った大きな温泉卵だろう。その他の具材は、焦げ目のついた大きめの鶏肉が5個。ネギや七味はなしのシンプルな仕様となっていた。ごはんの量は一般的なお茶碗一杯ほど。

 実際に食べてみると、鶏肉の炭火焼きの香りがブワッと広がり、驚かされた。卵にはレンジで火を通したときにできるプツプツ気泡はほぼなく、専用の鍋で火を通したような本格的なとろとろ具合。半熟卵を崩すことでそのとろとろ感はさらにブーストされ、非常に濃厚な舌触りを実現していた。香りと甘さの主張は控えめで、ラベルに表記はなかったが、どこか海老や貝を思わせる雰囲気が印象的。ごはんはもっちり、かつ粒が立っていて食べ応えあり。非常に満足感のある贅沢な親子丼だった。

総評…1位はセブン

 ここからは、今回の総評を行っていきたい。

 価格はセブンの親子丼が464円と最安値。ファミマも498円とアンダー500円にしているもののセブンには一歩及ばず。一方のローソンは635円と高値なのだが、値段に納得できるハイクオリティで、戦略的にも他2社と同じ土俵は狙っていない商品に思えた。

 味に関してだが、正直なところローソンが2社を引き離すクオリティだったのは間違いなかった。だが、その入手困難性や値段を考えると、コストパフォーマンス抜群とはいいがたいだろう。

 これらを踏まえて、今回“コンビニチルド親子丼No.1”に選んだのは、セブンのチルド親子丼だ。ローソンのクオリティには及ばないものの、価格の安さに反比例するクオリティで、その味わいにはクセがなく万人に受け入れられる仕上がり。買いやすさを加味した総合値で見ると、今回はセブンに軍配をあげたい。

 コンビニ各社の親子丼は、一見するとどれも同じように見えるが、実際に食べ比べてみると、かなり異なる味わいなのに気付かされた。同じチェーン店の親子丼しか食べていないという人がいたら、ぜひ今回の記事を参考に別チェーン店の親子丼にもチャレンジしてみてほしい。

A4studio

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エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
株式会社A4studio

Twitter:@a4studio_tokyo

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