パチンコホール大手・マルハンが新会社「リレーライフ」を設立し、パチンコ、パチスロ、麻雀、ブラックジャック、バカラなどの遊技施設を設置したデイサービス施設「デイサービス ラスベガス八千代」を、14日に千葉県八千代市にてオープンさせた。高齢者の介護やリハビリと「ギャンブル」を融合させた取り組みが大きな話題を呼んでいる。
「デイサービス ラスベガス」は、日本シニアライフが展開するデイサービス施設。パチンコ、パチスロ、麻雀、カードゲームなどを取り入れることで「仕方なしに行く場所ではなく、是非とも行きたい場所」として、高齢者が楽しみながら自然に機能訓練を受けられる。全国に20店舗以上を構えており、今回の八千代店はマルハンが日本シニアライフとライセンス契約を結んで開業させた。パチンコ・パチスロが「本職」であるマルハンが参入したことで、ネットや業界内で大きな注目を集めている。
施設のホームページによると、利用者はアルファードなどの高級車で送迎され、健康チェックやストレッチ体操などをした後にレクリエーションとしてギャンブル系の遊戯を楽しむ。こうした遊技はリハビリ効果が見込めるそうで、たとえば麻雀は「四則演算、状況判断を繰り返し、脳の活性化を図ります」とされている。一般的なデイサービスでは、子ども向けの計算ドリルなどを使って脳を活性化させる取り組みがあるが、麻雀ならそれよりも能動的に計算する機会が生まれそうだ。
当然ながら実際の金銭をやり取りすることはないが、施設内限定の疑似通貨として「ベガス」という紙幣があり、「役満を出す」「特定の回数バカラに参加する」といった条件を満たしたり、ゲームや大会に勝つことなどで増やすことができる。各ゲームの参加料として「ベガス」が必要になるが、ストレッチ体操などをすると「ベガス」がもらえる仕組みがあり、それが積極的にリハビリをする動機になる。リハビリとギャンブルの魅力をうまく融合させている印象だ。
これに対して、ネット上では「体操しないとゲームできないとかよく考えられていていいと思う」「ギャンブルって頭使うし、本物のお金賭けないなら全然アリ」「普通のデイサービスだと嫌々行ってる人もいるから、自分から行きたいって思えるのは大事」「ゲーセン併設とかアニオタ向けとか、いろんな選択肢が増えてほしい」などと好意的な意見が目立っている。
また、デイサービス施設ではリハビリとして折り紙などを取り入れているところが多いが、子どもっぽくて嫌だという高齢者も少なからずいる。麻雀やバカラ、パチンコなどであればそのような不満が出ることはなく、そうした「利用者視点」でも評価されているようだ。
これまでも「ギャンブルと介護の融合」として話題を呼んできた同サービスだが、パチンコ業界大手のマルハンの参入によってさらなる施設の充実とサービスの拡大が期待できそうで、今後も注目度が高まっていきそうだ。