ドライブスルー対応のマクドナルド前の道路で渋滞が頻発しているという声がSNS上に数多くあがっている。なぜマクドナルドは店舗周辺での渋滞発生を繰り返すのか、またマクドナルドに限らず人気の小売店・飲食店チェーンが店舗を出店する際には、渋滞のリスクをどれだけ意識するものなのか。専門家に聞いた。
外食チェーンでドライブスルー対応の店舗を展開しているケースは多い。マクドナルドと同じハンバーガーチェーンではロッテリア、モスバーガー、バーガーキングも対応店舗を展開。カフェチェーンでは、スターバックス コーヒーは400店舗以上がドライブスルーに対応しており、ドトールコーヒーショップ(ドトールキッチン)にも対応店舗が存在。牛丼チェーンの吉野家、松屋、すき家も同様だ。
マクドナルドでは、特に片側一車線の道路沿いの店舗で渋滞が起こりやすい模様。たとえば車両の進行方向に向かって左側に店舗がある場合、左折進入しようとする車両に加え、反対側の車線から右折進入しようとする車両が同時に「待ち」の状態となり、両車線で後続車両に渋滞が発生するというケースだ。さらに交差点に面する店舗の場合、店舗敷地内から道路に出る車両も加わり交通混雑に拍車がかかったり、交差点に進入できない車両が発生して、より広範囲にわたり渋滞が生じるケースもあるという。
特に休日や大型連休でこうした光景が増えるとみられ、SNS上では以下のような声があがっている。
<これ考えようによっては公道を客の待機場にしてるようなもん>
<マックって大抵交差点にあるから交差点の直前で激混み作る>
<交差点の角にあるのが厄介>
<週末の度にこれになってる>
<近所のマックは絵のドライブスルー出口側からも車入って行くから更にカオスな状況になる>
<同じような立地のスタバもいつもドライブスルーが混んでる>
地元の自治体や警察と協議も
外食チェーンの限らず、大型のショッピングセンターが出店すると周辺地域で渋滞が発生するというケースは少なくないが、一般的に小売店・飲食店チェーンは店舗を出店する際に、渋滞のリスクをどれだけ意識するものなのか。流通ジャーナリストの西川立一氏はいう。
「駐車場への出入りのしやすさや車の止めやすさは、客が店舗を選ぶ際の判断材料の一つになる。従って小売店・飲食店が出店する際は、渋滞する場所ではないか、車が駐車場へ入りやすいかなど道路状況を確認する。さらに、スムーズに出入りできるよう出入口をどこに設けるかも考え、誘導員を配置することもある」
では渋滞の発生が予想されたり、実際に頻発するようになった場合、小売店・飲食店側はどのような対策・対応を取るものなのか。
「駐車場が満車だったり入店まで時間がかかると、客があきらめて他店に行く場合もあり、来店客数をあらかじめ予想して適正な駐車台数を確保することも行われている。人気店では、順番待ちの車の行列ができないように、事前に整理券を配布し来店客をコントロールしたり、混雑時には入場制限を実施しているケースもあり、場合によっては駐車場を増設したり、それでも混雑が解消しない場合はより広い駐車スペースを確保できる場所に移転するケースもある。
ショッピングセンターなど多くの人が来店する施設が出店して渋滞が発生すると思われるときは、事前に地元の自治体や警察などと、駐車場の出入口設置や一方通行の解除など交通規制について協議することもある。バスなど公共機関の利用促進や、週末より客が少ない平日の来店を促すなどの混雑防止策を講じることも一般的に取り組まれている」