ビッグモーター、「オイル交換100円」は得か…ほかの商品を勧められた場合の対処法

　自動車保険の保険金水増し請求問題をはじめ、不祥事が次々に噴出し、社長・副社長が辞任を表明する事態に発展した中古車販売大手ビッグモーター。

「6年連続買い取り台数日本一」を謳い、テレビ・ラジオ・雑誌などのメディアに多くのCMを打ち、派手に宣伝して事業を拡大してきた。さらに、車検を予約すると最大2年間、オイル交換無料などのサービスを実施したり、同社で自動車を買うとオイル交換永久無料などの謳い文句を掲げていた時期もある。後者については2021年、一方的にサービスを中止し、契約違反だとして物議を醸した。

　そんななか、ビッグモーターで定期的に行われている「オイル交換1台100円」のキャンペーンは、実際に得なのか、はたまた損する恐れがあるのか。ビッグモーターの事情にも精通する自動車ジャーナリストに話を聞いた。

「ビッグモーターに修理を依頼すると、余計な故障が増えて修理費がかさむ、という印象が付いてしまいましたが、『オイル交換1台100円』キャンペーンはオトクといえると思います。一般的にディーラーやガソリンスタンドでオイル交換をすると、オイルのグレードにもよりますが、3000～5000円くらいかかります。経営陣が刷新される関係で、同キャンペーンが維持されるかは不透明ですが、もし近くにビッグモーターがあれば、オイル交換はしてもいいのではないでしょうか。

　ただし、ビッグモーターではオイル交換の際に、車検証の提示を求められます。次の車検が近づくと、車検の案内の電話がかかってくることは覚悟しなければなりません。もちろん、必ずビッグモーターで車検を受ける必要はありませんが、100円でオイル交換できる代わりに、車検証の情報を与えるというわけです」

　車検証の情報を与えることで、オイル交換を100円でしてもらえるのであれば、悪い話ではないのかもしれない。だが、果たしてオイル交換だけで終わるのだろうか。ほかに商品を売りつけられる可能性はないのか。

「もちろん、オイル交換をする際、エンジンルームの中を点検し、ほかの消耗品の交換を提案される可能性はあります。よくあるのは、エアコンフィルターやATオイル、バッテリーの交換、またウインドウウォッシャー液やバッテリー補充液の補充を勧められるケースです。

　エアコンフィルターは、エアコンを使用した際ににおいが気になる場合には交換すればいいと思います。費用の目安は3000円以内です。ATオイルは新車から10年くらいは交換しなくても問題ありません。バッテリーも、エンジンのかかりが悪くなっていなければほとんど交換する必要はありません。ウインドウウォッシャー液やバッテリー補充液は、目で見て減っていれば、カー用品店で買って自分で補充するのがいいと思います。ただ注ぎ足すだけで難しくないため、わざわざ工賃を払って他人に頼む必要はないでしょう」

　ビッグモーターに対する苦情のなかには、バッテリー交換を頼んで費用も払ったのに、実際には交換されていなかったという声もあり、同社に対する不信感は高まっている。ビッグモーターに限らず、お得そうなキャンペーンを利用しようとする場合、事前に情報を確認してから自分に必要なサービスを利用すべきだろう。

（文＝Business Journal編集部）