アマゾンで未開封のまま返品→「使用感、汚れあり」と返金拒否の謎…発生は不可避

　通販サイト「Amazon.co.jp（アマゾン）」で商品を注文後、出荷前にキャンセルを申請したが受け付けられず、到着した商品を未開封のまま返品処理したものの、「使用感、傷・汚れあり」との理由でアマゾンより返品を拒否され、アマゾンに問い合わせたところ、「倉庫番の検品者がよく見ないで『使用感あり、傷、汚れあり』と判断した」と説明されたというネット上の投稿が、話題を呼んでいる。果たしてこうした事態は起こり得るのか。

　アマゾンで販売されている商品のなかには、一定の条件を満たせば返品できるものがある。返品対応対象の商品で未使用かつ未開封の場合は商品代金の全額返金、開封済みの場合は代金の50％の返金が受けられる。返品対応対象外のものや、代金引換・携帯決済で注文した商品は返品できない。返品対応の可否は商品ごとに決められており、ユーザーが購入時に確認する必要がある。返品の条件をすべて満たす場合、希望するユーザーはサイト上の注文履歴より専用ラベルを印刷し、それを商品とともに梱包して郵送するかたちとなる。ちなみに返送料については、原則として不良品や破損品ではない商品はユーザー負担、つまり元払いだが、「服＆ファッション小物、シューズ＆バッグストアの商品のうち、Amazon.co.jpが発送した商品（受注生産品を除く）の場合」は着払いになるなど、商品や発送元によって違ってくるので、都度確認する必要がある。

アマゾンの返品・返金対応は、ユーザーに優しい

　そんなアマゾンの返品をめぐって、前述の投稿が話題を呼んでいる。この投稿者は7月頃に「PlayStation 5  FINAL FANTASY  XVI　同梱版」を購入したが、商品の配達が遅かったため別の方法で購入し、アマゾンの注文についてキャンセルを申請。だが商品が届いたため未開封のまま返品を行ったが、以下文面のメールが送られてきたという。

＜返品処理が進められない理由：使用感、傷・汚れあり
詳細：商品に使用感があるため
（略）
お送りいただいた商品は、2023年8月3日（木）までにご連絡いただければ、アマゾン返品係から着払いにて返送させていただきます。2023年8月3日（木）までにご連絡がない場合、廃棄させていただきます。
（略）
事前に申告いただいた内容の不具合が確認できず、また過度な傷や汚れなどがあったため、返金はいたしかねます。お手数ですが、傷・汚れの発生理由をご記載の上、2023年8月3日（木）までに当サイトへご連絡ください。お客様からご連絡がありしだい、確認のうえ対応を進めます＞

　そこでアマゾンに問い合わせたところ、「倉庫番の検品者がよく見ないで『使用感あり、傷、汚れあり』と判断した」と説明されたものの、再びメールが送られてきて、「すでにお知らせいたしました通り、アマゾン返品係に下記ご注文商品についてご返品いただきましたが、以下の理由により、返品処理を進めることができません」とする前回と同様の内容が書かれていたという。

　EC業界関係者はいう。

「アマゾンの返品・返金に関する対応は、かなりユーザーに優しいと評価していい。発送元がアマゾンの商品であれば、たとえばユーザーが注文後に気持ちが変わって『やっぱりキャンセルしたい』というケースでも事実上キャンセルできるという商品は多い。今回のケースはアマゾン作業員の単なるヒューマンエラーだったのかもしれないが、アマゾンが扱う商品の量は膨大で、さらに現場の作業員の業務はかなりマニュアル化されているので、担当者が流れ作業のなかで間違った判断をしてしまったのかもしれない。

　ただ、そうしたミスは取扱量が多ければ多いほど、一定の確率で起こるのは避けられないのが実情。複数の送付先を登録しているユーザーで、注文時に指定した場所とは別の場所に商品が届いたり、同一の商品を同時に複数注文した際に何回かに分かれて届けられるなど、ユーザーにしてみれば『え？』と思うような出来事はいまだに起きているようだが、総じていえば他のECと比較して『かなり優秀』と評価できる。今後はもっと取扱量が増えて、アマゾン・フレックスの普及で個人の配送員も増えてくるので、それに伴う人為的なミスの発生をいかに抑制していくのかが課題となってくる」

　現在、当サイトは本事案についてアマゾンジャパンに見解を問い合わせ中であり、回答を入手次第、追記する。

（文＝Business Journal編集部）