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アマゾン、アップル優遇措置か…商品ページ上で他社商品のレコメンド非表示か

文=Business Journal編集部、協力=山口健太/ITジャーナリスト
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サイト「Amazon.co.jp」より

 ECサイト「Amazon.com(アマゾン)」が米アップルの商品個別ページ上で他社商品の広告やレコメンドを表示させないよう、アップルに優遇措置を取る契約が両社間で締結されている可能性があると、米メディア「Insider」が報じた。キーワード検索の結果表示ページ最上部に表示される広告表示フィールドでも同様の措置が取られているというが、アマゾンではこうした一部企業への優遇措置が行われているのだろうか――。

 日本語版「Amazon.co.jp」でアップル製スマートフォン「iPhone 15 (512 GB) イエロー」の商品個別ページを確認してみると、ページ内には「おすすめのiPhoneアクセサリ」や「Amazonでお得にiPhoneが買えます」など計4つのバナー広告が表示され、そのうちの3つはクリックするとアマゾン内のアップル商品専用ページに遷移し、一番下の広告バナー「iPhone関連製品ストア」はアップル純正品とiPhone用他社製アクセサリが混在して表示されたページに遷移する。ちなみに4つのバナー広告は白または薄いグレーの背景色に黒文字というデザインで、統一感が維持されている。

 一方、韓国サムスン電子のスマホ「Galaxy S23 Ultra 5G Dual Sim 256GB ファントムブラック」の商品個別ページを確認してみると、ページ内にはGalaxy用の他社製アクセサリや他社製スマホをはじめ商品画像のバナー広告が表示される。

 また、アマゾン上で「iPhone」でキーワード検索をすると、結果表示ページ最上部の広告表示枠にはアップル商品しか表示されないが、「Galaxy」で検索すると他社の製品・サービスが表示される。

 各種報道によれば、アマゾンがこうした措置を取る見返りにアップルから金銭的報酬を受け取っているかは不明とのことだが、デジタルマーケティング会社のプロデューサーはいう。

「アマゾンの商品個別ページ上にさまざまなメーカーの類似商品や関連商品の画像が数多く表示されることに、すでにユーザは慣れているが、アップル商品のページ上にはそうした画像はみられず、ページ全体が非常にスッキリとした見栄えになっている。この違いからもアマゾンがアップル商品に関して何らかの例外措置を取っているのは明らかだろう。アップルは自社のブランドイメージを非常に大事にする企業なので、アップルが要請した結果だろうが、アップルがその対応の見返りとして料金を支払っているのかは分からない。システム的には簡単な設定変更で対応できるレベルとみられ、アマゾン側に大きな労力はかからない。アップルの商品は群を抜いて高いセールスが見込めるため、アップルが自社商品をアマゾンで取り扱うことを許可する条件として、そのようなページ表示にさせている可能性も考えられる」

背景に模倣品の存在

 ITジャーナリストの山口健太氏はいう。

「最近、アマゾンのサイト内には『スポンサー』表示のある広告が増えていますが、こうした広告事業はアマゾンにとって新たな収益の柱になりつつあります。そのなかで、たしかにアップル製品のページには他社の広告が表示されない場合が多いことから、何らかの優遇措置を受けている可能性は考えられます。

 アマゾンとアップルの契約がどうなっているのかは不明ですが、アップルには自社製品がどのように販売されるかについてブランディング上のこだわりがあることは確かです。家電量販店や携帯ショップにはさまざまな協力を求めているとみられており、巨大ECサイトであるアマゾンとの間で何らかの交渉をしていても不思議はないでしょう」

 こうしたアマゾンの行為は商取引上、問題ないのか。

「アマゾンはサイト内で自社製品を優遇している疑いがあるとして規制当局から問題視されていますが、他社製品を優遇することはただちに問題はないと考えられます。ただ、他の大手ブランドからも同様の扱いを求める声は上がりそうです。背景として考えられるのは、模倣品の存在です。たとえば『AirPods』で検索すると、見た目がよく似た安価な製品が複数ヒットし、そのなかには広告を出して目立っているものもあります。こうした広告は消費者の混乱を招く恐れがあり、どのブランドにとっても切実な課題でしょう」(山口氏)

 当サイトはアマゾンジャパンに、アップルとの間で優遇措置を行う契約などを取り交わしているのか、また、その対価として金銭的な報酬を受け取っているのかを問い合わせ中だが、回答があり次第、追記する。

(文=Business Journal編集部、協力=山口健太/ITジャーナリスト)

山口健太/ITジャーナリスト

山口健太/ITジャーナリスト

1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。
山口健太

Twitter:@yamaguc_k

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