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米国市場では、日本仕様のスリムな車体は消費者のニーズに合わないと判断。「レガシィ」「インプレッサ」「フォレスター」の主力3車種を米国市場に適した大型サイズに切り換え、室内を広くして車体全体のデザインも米国人好みに大胆に変更した。
富士重工には、マニアが好む個性的なクルマを生み出す技術力がもともとある。同社の前身は零式戦闘機(ゼロ戦)のエンジンをつくっていた中島飛行機である。航空機で培った技術力を武器に世界初の四輪駆動(4WD)の乗用車をつくったり、軽量で耐久性の高い水平対向エンジンを搭載したりするなど、クルマの走りに徹底的にこだわってきた。独自の先端技術で開発した安全装置「アイサイト」を搭載した「ぶつからないクルマ」で、ブランド価値を高めたのも大きかった。希少性を高めることで「オレだけのクルマが欲しい」というスバリストの期待に応えた。
冬の時代が長かった富士重工社内には今、好業績を受け高揚感が漂っているが、米国市場への依存度が高いというリスクも、同社は忘れていない。例えば同社は、販売が好調な一方で設備投資には極めて慎重だ。なぜなら、スバル車のユーザーが増えれば、その希少性が薄れて、スバリスト御用達のクルマでなくなってしまう可能性があるからだ。
円安効果が縮小すると見られる来年、富士重工は引き続き快走を続けることができるのか。しばらく同社の動向から目が離せない。
(文=編集部)
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