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所有者別状況で特異なのは「個人その他」が304人で、保有割合が37.38%にのぼっている点だ。リクルートは現役社員やOBが株式を所有する「社員のための社員の会社」なのだ。
このことがリクルートが上場に消極的だった理由といわれてきた。上場すると、社員が持っている株式の価値が上昇する。持ち株を売却すれば多額の現金が手に入る。売却しなくても巨額の含み資産を手に入れることになる。
「社員に株を持たせて上場した会社がどこでも経験することだが、株を持っている社員と持っていない社員との関係がうまくいかなくなる。社員持株会が大量の株式を保有している会社の上場が、いい結果をもたらすとは限らない」(証券アナリスト)
ITバブル華やかなりしころ、ネットベンチャーが上場し、20代、30代の若い億万長者が次々と誕生した。それらベンチャーがどうなったかというと、倒産したり、買収されたりして、あらかた消えていった。持ちなれない大金を手にしたため、創業者だけでなく役員や幹部社員がハングリー精神を失ってしまったのが原因という分析もある。
営業利益率14.2%と優良企業のリクルートが上場すれば、時価総額1兆円は固い。仮に1兆円なら「個人その他」は3700億円超の資産を持つことになり、社員持株会に出資している社員から億万長者が、たくさん出ることになる。
(文=編集部)
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