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世界第4位の人材派遣会社に!

リクルート上場で、億万長者の社員が続出は吉と出るか?


 今後、欧米の人材派遣会社のM&Aを進めるには資金が要る。これまでリクルートは銀行からの借り入れに頼ってきたが、資金調達手段を多様化する狙いから株式上場の方針を固めたわけだ。

 リクルートが株式公開を目指すのは今回が初めてではない。ダイエーからリクルート株式を買い戻した00年前後に、株式公開の準備を進めていた。リクルートは、「東大が生んだ戦後最大の起業家」といわれた江副浩正氏によって60年、大学生向けの就職情報誌を発行する会社として出発した。88年にはグループのリクルートコスモスの未公開株をめぐる贈収賄事件、いわゆるリクルート事件が起こった。経営の第一線から退いた江副氏は保有していたリクルート株式をダイエー創業者の中内㓛氏に譲渡し、リクルートはダイエーの傘下に入った。

 しかし、ダイエーの経営は悪化。有利子負債を圧縮するため、保有していたリクルート株式の売却問題が浮上した。ダイエーは当初、保有する株式すべてを第三者に売却する考えだった。リクルートは同社の同意がなければ第三者に売却できない「譲渡制限」条項を盾に抵抗し、株の買い戻しを逆提案した。

 00年2月、ダイエーグループが保有する発行済み株式35.2%のうち、25.2%をリクルート側が約1000億円で買い戻すことで決着した。1株当たり6000円という売却価格は、ダイエーが外部に依頼した評価額と大差なかった。ダイエー側は05年、残りの10%を農林中央金庫などに売却して、同社の経営から撤退した。

 リクルートはダイエーを安定株主として3~5年後の株式公開を準備していたが、この件でダイエーが撤退。自社株を買い戻したことから、株式公開作戦の見直しを迫られた。そこで安定株主作りの一環として01年5月、東京電力と、日本興業銀行(現・みずほコーポレート銀行)、三井住友銀行、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)の主力3行に、買い戻した株式の一部を譲渡した。

 ダイエーの撤退後、筆頭株主になったのはリクルート社員持株会である。会社の規定では、社員は持株会との間で自由に持ち株を売買できることになっている。そのため持株会の保有比率は大きく変動する。08年3月期には20.8%だった。

 11年3月末現在の株主構成でみると、同社社員持株会が13.89%で筆頭株主。以下、大日本印刷と凸版印刷が各5.32%、東京電力、三井物産、電通がそれぞれ4.99%、農林中央金庫4.16%と続く。社員持株会がダントツの筆頭株主だということに変わりはない。

BusinessJournal編集部

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