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品川駅「社畜観察カフェ」スマホ撮影禁止の掲示が話題…構内を見下ろす構造

文=Business Journal編集部
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品川駅「社畜観察カフェ」スマホ撮影禁止の掲示が話題…構内を見下ろす構造の画像1
品川駅構内(「gettyimages」より)

 一部SNS上で「社畜観察カフェ」とも呼ばれる品川駅港南口の「アトレ品川」3Fのカフェ「BLUE BOTTLE COFFEE」で、通行人の撮影禁止を呼びかける掲示物が設置されていることが話題を呼んでいる。同店は、平日の通勤時間帯にはスーツに身を包んだ大勢のビジネスパーソンの「群れ」が足早に出口に向かって歩く光景を窓越しに見下ろせことで知られているが、なぜ同店は撮影禁止になっているのか。業界関係者の見解を交え追ってみたい。

 JR山手線や京浜東北線、東海道線など計6路線に加え、東海道・山陽新幹線、京急線などが乗り入れる巨大ターミナル駅の品川駅。港南口付近にはイーストワンタワー、品川TWINSビル、ソニーグループ本社、品川インターシティ、品川グランパサージュなど大きなオフィスビルが立ち並んでいることもあり、平日の通勤時間帯には品川駅の中央改札や新幹線のりば(南口)から港南口へ向かう広い通路「レインボーロード」にはビジネスパーソンの“大群”が発生。その光景がテレビのニュース番組などで流れることも多く、一度は目にしたことがあるかもしれない。

 その港南口に隣接する形で建っている商業施設「アトレ品川」の3Fに位置するのが「BLUE BOTTLE COFFEE 品川カフェ」だ。北側の窓際席はガラス張りとなっており、駅の構内を見下ろす構造で、窓際席に座ると、中央改札を出てレインボーロードを港南口に向かう人々がちょうど“足の下”をくぐっていく格好になる。通勤時間帯にはビジネスパーソンの大群が向こう側から自分の下をくぐっていくという光景の物珍しさから、窓の外に向けてスマートフォンを構えてカメラ撮影をする人も少なからずいる。

 いつも“撮られる側”の品川のオフィスビルにある企業に勤務する40代男性はいう。

「カフェを見上げると、窓際にはこっち側を正面にして多くの客が横に並んでおり、ちょっと違和感があるのは確か。特に外国人観光客にとっては珍しい光景だからなのか、スマホを構えている人の中には外国人が目立つ。個人的には特に不快だとは感じないが、毎日これだけ大勢の人があそこを通過していれば、店舗に『やめさせろ』とクレームを言う人はいるかもしれない。私も一度はあそこに座って“見る側”になってみたい気もするが、わざわざ時間のない平日朝に店まで行くのも面倒だし、まあいつかは行ってみたいとは思う」

 そんな同店で最近、撮影の自粛を求める掲示物が設置されているとして話題に。設置されたのは数年前のもようだが、その掲示物には次のように書かれている。

<NO PHOTOGRAPHY
スマートフォンを使用した通行人の写真撮影はご遠慮ください。
 We know the view is irresistible,but out of respect for our fellow travelers,please refrain from photographing the commute below.Thank you.>

 英語表記もあることから、外国人観光客にも向けた案内であることがうかがえるが、外食チェーン関係者はいう。

「今では飲食店で料理や内観をスマホ撮影するというのは普通の光景であり、基本的には法律的にも問題はない。あとはマナーや他のお客さんへの配慮の問題となるが、店内での無断撮影をしないようお願いしている店はあるが、屋外の撮影を禁止するケースは珍しい。というか、厳密にいえば、そんな権利は店側にはないわけで、それゆえに『ご遠慮ください』という、あくまで“お願い”の表現になっているのだろう。こうした異例のお願いをお客さんに対してするということは、撮影された通行人から一定数のクレームが入ったとしか考えられない」

意外に多い“見下ろし系”カフェ

 実は品川駅のこのレインボーロード脇、直線距離的には「BLUE BOTTLE COFFEE」から目と鼻の先の場所にも、同じように通路を見下ろせるカフェがある。それが「スターバックスコーヒー JR東海 品川駅店」だ。こちらは駅構内にあり、港南口へ向かう通路からダイレクトに階段で上がることができ、店舗全体が駅構内に対し開けており、空間的には“駅構内のオープンカフェ”的な構造になっている。そしてこちらも「BLUE BOTTLE COFFEE」と同様に通路側を正面にする格好で横並びの席が設けられており、通路を見下ろすことができる。

「なぜかスタバのほうはスマホ撮影する人は見かけたことがない。通行人との間に窓ガラスがなく、また距離が近いので、気持ち的に撮影しにくいということかもしれない」(前出・40代男性)

 このほかにも東京都内には大勢の行き交う人々を“見下ろせる”カフェは少なくない。有名どころとしては、渋谷駅前の渋谷スクランブル交差点に面するSHIBUYA TSUTAYA店の1~2Fに入居する「スターバックスコーヒー SHIBUYA TSUTAYA店」があげられる。現在はビル全体の改装に伴い休業中だが、いまや2F窓際席は外国人観光客の人気撮影スポットと化している。

 最近では昨年に開業した東急歌舞伎町タワーの「スターバックスコーヒー 東急歌舞伎町タワー店」の2F席から歌舞伎町シネシティ広場全体を見渡せることがメディアでも取り上げられている。

「老舗としては、新宿高野本店の5Fのタカノフルーツパーラーが人気。定番中の定番ではあるが、新宿駅東口前の横断歩道を行き交う人々を眺めながらスイーツを味わうことができる」(前出・外食チェ―関係者)

(文=Business Journal編集部)

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