家電量販店でバイトをしている人物がSNS上で「もう辞めたい」と吐露し、「そんなにキツいのか」と注目を浴びている。だが、実際に大手家電量販店でバイトをしている人物に話を聞くと、意外にも「楽だしお勧め」との声が飛び出す。家電量販店でのバイトは何が大変なのか、逆にそれが乗り越えられるのであれば最高の職場となり得るのか、検証してみた。
SNS上で、「家電量販店でバイトし始めたが6日目でもう辞めたい」といった投稿があり、過去に家電量販店でバイトしたという人たちからも、「自分も3日で辞めた」「1週間もたなかった」など、短期間で辞めたとの声が続出している。そのため、「辞めるなら早く辞めたほうがいい」と背中を押すような声がある一方で、「家電量販店は楽なほうだから辞めないほうがいい」など思いとどまるように説得する声など、賛否両論が飛び交っている。
では、実際のところ、家電量販店のバイトはキツいのか。現在、大手家電量販店でバイトしている学生2人に話を聞いた。
「私がバイトしている店では、一般的な家電の基礎知識を覚えつつ、まずは品出しとレジ打ち、清掃からスタートしました。品出しはとにかく重い商品が多く、バイト時間中は立ちっぱなしになるので、体力に自信がない人は大変かもしれません。また、基本的に接客は社員さんやバイト歴の長い人が担当するのですが、レジなどでもお客さんから質問されるので、ある程度の家電の知識は必要となり、ちゃんと勉強しないといけないですね。注文事項や質問の多いお客さんもたまにいるので、接客が苦手な人には向かないかもしれません」
また別の学生は、レジ打ちが難しいという。
「ほかのチェーン店はわかりませんが、私のバイト先のレジはとても煩雑でなかなか覚えられません。ちゃんと使いこなせるようになるまでに3カ月くらいはかかると思います。コンビニやスーパーのレジとまるで違うので、お客さんを待たせてしまって怒られることがよくありました。それがストレスになって辞める人が結構いますね」
一般的にバイトがキツいと感じるのは、重い商品の品出し、難解なレジの操作、接客、という3点が挙げられるようだ。一方で、慣れてくれば最高の職場だという。その理由は、「時給が高い」「平日は暇」の2点だ。
大手家電量販店のバイト時給を見てみると、1300~1500円くらいが多く、なかには1700円というものもある。飲食店など他の接客業に比べてやや高めだ。さらに土日や年末年始の繁忙期は100~200円高くなるケースもあり、学生のバイトとしてはかなり稼げる職種といえるだろう。
先のバイト学生は「平日に入ると、あまりお客さんがいないので他のバイトや社員とおしゃべりしている時間が長いですね。楽をしているのに高い時給をもらえるので天国です。飲食店でバイトしている友達にうらやましがられるくらい」と語り、体力的に問題がなければ最高のバイト先だという。
家電もネットで購入する客が増え、家電量販店は実物を確認するためだけの“ショールーム化”が叫ばれて久しい。実際に店舗で商品を確認した後にネットで購入する人は多く、店舗でそのまま購入する客の大半は高齢者だという。そのため、商品説明などを丁寧に行う接客が家電量販店では必須となる。そのような接客や、体力勝負の仕事内容が苦にならない方はバイト先として検討してみてもいいのではないだろうか。
(文=Business Journal編集部)