イオンのフードコートが“無法地帯化”していると話題になっている。特に飲食に利用すべきテーブルで、勉強する高校生のほか、なかには書道をする老人もいるという。そんな状態を、店舗の運営スタッフは黙認しているのか、もしくはなんらかの対処をするのか。イオンモールの広報部に聞いた。
フードコートはオープンスペースで誰でも気軽に利用できることが良さではあるが、その半面、飲食エリアの秩序は利用客のモラルに委ねられる部分が大きい。多くの店舗が並び、グループで利用する際にも、お客はそれぞれが好きな店の好きなメニューを頼んで、同じテーブルで食事ができるというメリットがあるが、通常の飲食店と違い誰でもテーブルを利用できることから、飲食物を購入せずに読書や勉強、ゲームをしている人などが散見され、特に混雑時には問題となることがある。
これはイオンに限らず、ある程度の規模の商業施設に備えられているフードコートでは、どこでも起きうる光景だろう。だが、今回イオンが注目されているのは、そのマナー違反が度を越しているためだ。X上に10月21日、こう投稿された。
「地元にイオンが二店舗ある。片方はフードコートで高校生が自習する無法地帯、もう片方はフードコートで老人が書道してる本物の無法地帯」
フードコートで高校生が勉強するのは、望ましくはないが、珍しくもない。飲食をするべき場所として提供されているテーブルを、飲食以外に使用するのは、他人に迷惑をかけうることを認識すべきだ。それが書道となると、異様さが際立つ。なぜイオンなのか。なぜフードコートなのか。具体的な店舗名は明らかになっていないが、投稿者は「北摂」在住と明らかにしていることから、大阪か兵庫の店舗である可能性が高い。
店舗がどこであるかはさておき、このような事態が起こるのは、フードコートという形式が要因であるのは間違いない。通常の飲食店と違い、何も購入しなくても席に座ることができ、特定の店舗が場所の管理をしているわけでもないため、責任の所在がわかりにくいといった事情があるからだ。そこで、イオンモールの広報部に、食事以外でフードコートを利用している客に対し、どのように接しているのかについて、話を聞いた。
――長時間占有されている方に対し、貴社スタッフの方が声掛けしたり、席をあけるように促すことはあるのでしょうか。また、別のお客から席を譲らせるように依頼された場合には、どのように対応なさるのでしょうか。
「各モールにおいて、適宜フードコートの状況を巡回しながら、お声がけをさせていただいております。お客さまからご要望があった場合も、同様に対応させていただいております」
――イオンモールさんとしては、イオンモールウォーキングを推奨されるなど、気軽に足を運んでもらうという施策を取っていらっしゃるなか、長時間にわたって席を占有される方への対応が難しい部分もあるかと思います。たとえば、食事などを購入していない方がフードコートの席を勉強など利用している場合でも、特に問題はないのでしょうか。
「基本は、飲食店においてメニューをご注文いただいた方がご利用いただくためのスペースとなります。食事以外等でご利用の場合は、上記と同様に対応させていただいております」
多くの店舗が入居するショッピングモールは、週末や休日ともなると激しく混雑する店舗が多い。そのなかで、買い物中に一息ついたり、ランチやおやつタイムを楽しんだりするために、フードコートを利用する人も多いだろう。だが、フードコートはえてして席の奪い合いになりがちだ。そんなときに勉強など食事以外で長時間、席を占拠していると、大きな迷惑である。あくまでも、飲食をする場であるということを認識して利用してもらいたい。
(文=Business Journal編集部)