ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 野村證券、営業員に会食禁止令か
NEW

野村證券、顧客との会食を禁止か…強みの自宅訪問営業&DGL営業も見直しか

文=Business Journal編集部
【この記事のキーワード】, ,
野村證券、顧客との会食を禁止か…強みの自宅訪問営業&DGL営業も見直しかの画像1
野村ホールディングスHPより

 野村證券が、営業員に会食禁止令を出しているようだとSNS上で話題になっている。同社の元社員が強盗殺人未遂の容疑で逮捕されたことを受け、再発防止として一時的に顧客との個人的な接点を制限しているとみられている。この噂の真相について、野村證券に直接話を聞いた。

 野村證券の営業員が今年7月、80代の顧客夫婦に広島市の夫婦宅で食事を持ちかけ、食べ物に睡眠作用のある薬物を混ぜ、意識が朦朧としたところで住宅に放火し、約2600万円を奪って逃走した。この営業員は強盗殺人未遂と現住建造物等放火の容疑で逮捕されたが、野村證券はすでに懲戒解雇の処分を下している。一部報道によると同営業員は逮捕後、取り調べに対して黙秘しているとのことだが、接見した弁護士は現金を盗んだことは認めているものの強盗殺人未遂と放火については否認しているという。

 野村證券は同社のトレーダーが国債先物取引で相場操縦(金融商品取引法違反)行為をしていたことが発覚している。金融庁は、証券取引等監視委員会から課徴金納付命令の勧告を受け審判を行ったところ、野村證券から法令違反の事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出を受けたことから、2176万円の課徴金の納付を命じる決定を下した。

 野村證券は奥田健太郎社長ら8人による役員報酬の一部自主返上を発表したが、生命保険会社や資産運用会社、信託銀行など少なくとも10社や機関投資家が野村證券との取引を停止するなど、大きな影響が出た。野村證券が相場操縦に対する処分などについて発表した直後に当時野村證券の営業員だった元社員が強盗殺人未遂の疑いで逮捕されたことが発覚し、加藤勝信金融大臣も「極めて遺憾」と述べるなど、同社の管理体制に疑問を投げかけた。

 その野村證券が、営業員に対して“会食禁止令”を出しているようだと、SNS上で話題になっている。きっかけは11月5日、X上に「野村證券と再来週に居酒屋いく予定あったのに、会社から営業員の会食が禁止されたからキャンセルさせてと依頼がきました。 理由は、営業員が食事に睡眠薬混ぜて、火をつけた件の再発防止みたいで」と投稿されたことだ。この投稿は150万回以上表示され、大きな反響を呼んでいる。

「野村證券の当該加害者が単独で、外れ値としてヤバかった訳じゃなくて、他の社員も同じことやるリスクがあるから会社として会食禁止令が出たってこと?会食禁止する前にもっと前面に出て経緯や対策について語って貰いたいな、野村には。今後も同様の件を犯す社員が出る可能性もあるのかね」など、会食を禁止することが再発防止にはならないとの見解や、「同じ事件が続けて起きちゃったらマスコミ抑え込めなくなって、野村の基本であるDGL(ディナー、ゴルフ、ランチ)による外交(営業)も終わる。経営陣がナーバスになってるんだろう」といった、顧客と食事をする営業自体が今後、できなくなるのではないかとの見方も出ている。

野村證券、社員の会食を禁止?

 そこでBusiness Journal編集部は、野村證券広報部に事実確認をするとともに、事件を受けて社員にどのような対応を取っているのかを聞いた。

「逮捕された営業員は、(7月28日に犯罪行為があり)8月2日に本人から会社へ申し出があり、そこで事案を認識し、8月4日付で懲戒解雇しております。この事件の根本原因としては、社員の不正検知や不正行為の抑止が不十分であったと反省しております。事前に察知し、犯行を止めることができなかったことは、お客様や関係するすべての皆様にご迷惑とご心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げます。当社は、引き続き警察の捜査に全面的に協力してまいります。

 不正検知のために社員が職場から一定期間離れる制度の導入、コンプライアンスや行動規範の観点における評価の厳格化、職業倫理醸成のための研修強化も実施いたします。お客様のご自宅を訪問する際のルール強化などを行っていきます。また、(事件が発生した)広島支店の支店長を交代させておりますが、これは処分ではなく管理責任の明確化や現地の対応を強化するためとなっています」

 実際に会食を禁止しているかといった詳細については明言をさけたが、休日に会食を行ったり、自宅を訪れたりするといったお客との距離感についてはルールを再確認している模様だ。

 そもそも、高齢者も多い証券会社の顧客においては、営業員が自宅を訪れるなど直接対面する個人向け証券営業を行っているケースが多い。だが、そのビジネスモデルが今回のような事件を生み出した背景になっているのではないかとして、営業スタイルを方向転換すべきだと提案する専門家もいる。野村證券は再発防止のための抜本的な改革をすることができるのだろうか。

(文=Business Journal編集部)

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

野村證券、顧客との会食を禁止か…強みの自宅訪問営業&DGL営業も見直しかのページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

RANKING

11:30更新
  • 企業
  • ビジネス
  • 総合