ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 第一三共ヘルスケア、マスク崩れを分析

第一三共ヘルスケア、「マスク崩れ」を科学的に評価 ――エビデンスに基づく研究文化と企業姿勢

2025.10.28 2025.10.28 21:13 企業

第一三共ヘルスケア、「マスク崩れ」を科学的に評価  ――エビデンスに基づく研究文化と企業姿勢の画像1

 コロナ禍で長時間のマスク着用が日常となり、多くの人が経験したのが「マスク崩れ」。マスクを外した瞬間に気になるメイクのヨレや色移りは、生活者にとって小さくない不快感となっていました。しかし従来、この「崩れやすさ」を測る明確な基準は存在せず、あくまで「気になる」「崩れたように見える」といった主観的な感覚に頼らざるを得ませんでした。

 第一三共ヘルスケアは、この曖昧な現象を科学的に捉えるべく研究を実施。その成果を動画で公開しました。目的は「マスク崩れを客観的に評価する方法をどう確立するか」 という手法の探求にあります。

「感覚」を科学で裏付ける

 第一三共ヘルスケア H&B研究所 製品化研究グループの廣田梢さんは、こう語ります。

第一三共ヘルスケア、「マスク崩れ」を科学的に評価  ――エビデンスに基づく研究文化と企業姿勢の画像2

「実は『マスク崩れしにくい』というのは、今まで個人の感覚の話で、客観的で常に一定の評価基準はありませんでした。私たちはよりエビデンスに基づいた製品をお届けしたいと考え、『マスク崩れ』を客観的に評価する方法を生み出すことにしました」

「崩れにくい」という表現を感覚ではなくデータに落とし込む。この姿勢は、同社が掲げる「エビデンス・ベースド」という考え方に直結しています。医薬品研究で培った「根拠を示す文化」をスキンケア研究にも応用する点こそ、製薬会社としての第一三共ヘルスケアの独自性といえるでしょう。

装置を用いた再現実験

 研究チームは、マスクと肌が擦れる現象を再現できる装置を用いて試験を行いました。人工皮膚に製品を塗布し、動作条件(スピード・回数・加重)を設定して摩擦を再現。崩れの程度を画像や数値で記録する仕組みです。

 H&B研究所 基盤技術グループの大坪桃さんは、装置について次のように説明します。

第一三共ヘルスケア、「マスク崩れ」を科学的に評価  ――エビデンスに基づく研究文化と企業姿勢の画像3

「こちらがその試験に使用する装置です」

第一三共ヘルスケア、「マスク崩れ」を科学的に評価  ――エビデンスに基づく研究文化と企業姿勢の画像4

「この装置は、マスクが肌に擦れる現象を、いつでも同じ条件で再現することができます。試験方法は、まず人工皮膚に検証したいアイテムを塗り、その上に一定の重さのおもりを乗せます。次に、スピードや回数といった動作の条件を設定し、スタートさせます。マスクを巻いたパーツで擦った際の、メイクの落ち具合を見ることができます」

 もともとは摩擦力を測る機械でしたが、研究者たちは「顔が動くとマスクと肌が擦れる」ことに着目し、この装置を応用することを思いつきました。

 実験では、CCクリームだけを塗布した場合には崩れが線のようにくっきりと現れ、パウダーを重ねた場合には崩れが目立ちにくいという違いが確認されました。画像解析で面積を数値化することで、感覚的な「崩れやすさ」を客観的に示すことが可能となったのです。

第一三共ヘルスケア、「マスク崩れ」を科学的に評価  ――エビデンスに基づく研究文化と企業姿勢の画像5
人工皮膚にCCクリームのみを塗布してマスクの擦れを再現すると、メイクが崩れた部分がくっきりと線のように見える
第一三共ヘルスケア、「マスク崩れ」を科学的に評価  ――エビデンスに基づく研究文化と企業姿勢の画像6
次に、CCクリームの上にパウダーを重ね付けし、同じ条件でマスクの擦れを再現すると、ほとんど崩れたあとが見られない
第一三共ヘルスケア、「マスク崩れ」を科学的に評価  ――エビデンスに基づく研究文化と企業姿勢の画像7
画像解析により、擦れて白くなった部分を面積で表すと、CCクリームだけではなくパウダーを重ね付けするとマスク崩れに強いことが客観的な評価として導き出せた

 大坪さんはこう振り返ります。

「おもりの重さや擦るスピード・回数、アイテムを塗布する量など、さまざまな要素を検討しました」

感覚を「見える化」する意義

 廣田さんは、この研究の価値をこう説明します。

「実際に使用した感覚を視覚的に見せることで、分かりやすい形で製品の特長を伝えることができればと考えています」

 主観に頼ってきた領域を、再現性のある実験と数値で示す。この「感覚の見える化」は、同社の研究文化そのものを体現しています。

企業姿勢としての「エビデンス・ベースド」

 大坪さんは入社の理由について、こう話しています。

「入社を決めた一番の理由は、エビデンス・ベースドという考え方に共感したことです。これは、全ての物事に対してデータや根拠を示し、みんなが納得できるものを出していこうという考え方です」

 廣田さんも、品質評価やブランドの安定性に携わる立場から「お客様に長く使っていただけるブランドをつくりたい」と語っています。お客様から寄せられる声は日々社内で共有されており、それが研究開発を支えるモチベーションになっていると言います。

第一三共ヘルスケア、「マスク崩れ」を科学的に評価  ――エビデンスに基づく研究文化と企業姿勢の画像8

 このように「生活者の感覚」を大切にしながら、それをデータとエビデンスで裏付ける――この姿勢が第一三共ヘルスケアの研究文化であり、企業姿勢の中核にあるのです。

「Fit for You」を研究で体現する

 同社はコーポレートスローガンとして「Fit for You 健やかなライフスタイルをつくるパートナーへ」を掲げています。

「マスク崩れ」を科学的に評価する研究は、このスローガンを体現する取り組みといえます。生活者が日常で感じる小さな不便や不安を研究テーマとし、エビデンスをもって理解しようとする姿勢。それは、製薬会社ならではの信頼性をもって生活者の健やかな暮らしに寄り添う企業姿勢そのものです。

 今回ご紹介した第一三共ヘルスケアの「マスク崩れ研究」は、製品の開発を目的とした研究ではなく、主観的な感覚を客観的に評価する方法論を確立しようとする試みでした。

 エビデンスを重視し、科学的に現象を可視化する。生活者の声を大切にし、研究に反映する。そして、健やかなライフスタイルを支えるパートナーであることを企業理念として掲げる。

 この一貫した姿勢は、創薬型企業をバックボーンに持つ同社の強みと言えます。この強みを背景に、「感覚の見える化」という新たな挑戦を通じて、第一三共ヘルスケアはこれからも生活者の信頼に応えていくでしょう。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部)

<第一三共ヘルスケア株式会社について>

 第一三共ヘルスケアは、第一三共グループの企業理念にある「多様な医療ニーズに応える医薬品を提供する」という考えのもと、生活者自ら選択し、購入できるOTC医薬品の事業を展開しています。

 現在、OTC医薬品にとどまらず、機能性スキンケア・オーラルケア・食品へと事業領域を拡張し、コーポレートスローガン「Fit for You 健やかなライフスタイルをつくるパートナーへ」を掲げ、その実現に向けて取り組んでいます。

 こうした事業を通じて、自分自身で健康を守り対処する「セルフケア」を推進し、誰もがより健康で美しくあり続けることのできる社会の実現に貢献します。

 第一三共グループは、イノベーティブ医薬品(新薬)・ワクチン・OTC医薬品の事業を展開しています。

※本稿はPR記事です。

BusinessJournal編集部

Business Journal

ポジティブ視点の考察で企業活動を応援 企業とともに歩む「共創型メディア」

X: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

ニュースサイト「Business Journal」