玩具メーカー・奇譚クラブは、対象年齢を15歳以上に設定したユニークなガチャガチャを次々と発表。その中でも、少女をコップの縁にぶら下げて楽しむ「コップのフチ子」シリーズや、猫がスマートフォンやタブレットなどを支えてくれるという変わったスタンド「ここは俺がくいとめる!お前は先に行くニャー!」シリーズは、空前の大ヒットとなっている。
また、大手玩具メーカー・タカラトミーアーツのガチャ製作ブランド「パンダの穴」は、「チラリーダー!」や「メイドM」といった、ちょっとエッチな小物活用品型フィギュアを販売。また、大手玩具メーカー・バンダイの「逃げたて大根スイング」など、そのほかのメーカーも個性豊かなストラップやフィギュアのガチャガチャを次々と世に送り出している。
このようなシリーズは、マニアックガチャとしてネットを中心に話題沸騰中。しかし、対象年齢6歳が基本のガチャガチャ業界で、なぜこのような大人向けのガチャガチャが続々と発売されているのだろうか?
●10万個でヒットといわれる業界で、約500万個売り上げる
その背景ついて、奇譚クラブの広報担当・しき氏は次のように話す。
「子供が好きなキャラクターもののガチャガチャは、大手のメーカーと契約が交わされていて、弊社が入り込む余地はありませんでした。ですから私たちは、大人を対象としたガチャガチャ発のキャラクターの商品をつくることにしたんです」
その逆転の発想がユーザーたちから「面白い!」と評価され、ヒットを連発する原因となっているようだ。
「10万個売れたらヒット、50万個売れたら大ヒットといわれているガチャガチャ業界で、2012年7月に発売した『フチ子』は485万個、『お前は先に行くニャー!』シリーズは発売からまだ9カ月ほどにもかかわらず、累計190万個を売り上げています」(しき氏)
●マニアックガチャ展覧会の開催も
売り上げ以外でも、マニアックガチャがブームになっていることを示す出来事がある。タカラトミーアーツは、昨年12月に「パンダの穴展」という自社ガチャガチャ製品の展覧会を東京・下北沢で開き、大きな反響を呼んだ。
「弊社の商品は雑貨チェーン店『Village Vanguard』でよく購入されているので、『Village Vanguard下北沢店』の近くのギャラリーを選びました。ちょっと変わったものが好きな人の集まる場所を会場にしてブランドのお披露目会をしたい、ということで開催したんです。そこで過去の商品やニューリリースした商品などを展示、販売したところ、驚くほどのお客様にご来場いただき、完売する商品も出るほど好評でした」(パンダの穴・広報担当者)