マニアックなガチャガチャ、なぜ大ヒット続出？SNSにマッチ、みんなで楽しむアイテムに

●SNSの普及で、掲載ネタを購入する感覚の若者増加が追い風に

　それにしても、なぜここまでビジネスとして成功したのだろうか？

「弊社はPRなどにまったくお金を使っていないにもかかわらず、このようにヒットを生み出せた理由のひとつは、商品がSNS全盛の今の時代にマッチングしたためだと考えています。SNSユーザーが『こんな面白いものがあるよ』とタイムラインに書き込んだりツイートしてくれることによって、それを見たほかの人が『これ欲しい』と思ってくれてガチャガチャをする、といういいスパイラルが生まれています。200円でネタを買う、そんな楽しみ方をされているのでしょう」（前出・しき氏）

　実は2000年代前半にも海洋生物をリアルに再現したガチャガチャが流行していたが、こちらは大人のコレクションコンプリート欲を刺激してのブームだった。しかし、10年近くの歳月を経てやってきた第二次大人のガチャブームは、現代らしいSNSの情報発信によるもの、というわけだ。

　経済力をある程度つけた大人は、ちょっとした遊び心で、このようなグッズを購入することが可能。異性との話のきっかけに、友人を自宅に招いた時の盛り上がりの種に、そして何よりSNSでネタとして投稿するために、現在この分野の需要が高まっているようだ。ガチャガチャは個人で楽しむコレクションアイテムとしての側面のほかに、みんなで楽しむネタアイテムという要素も併せ持つかたちへと進化を遂げているのかもしれない。
（文＝武松佑季／A4studio）