まんだらけ、違法就労訴訟で敗訴!長時間の強制タダ働きの実態が露呈
(「まんだらけHP」より)
訴状や陳述書、判決文によると、原告で元社員の万田麗香氏(仮名、現30代前半)は、07年夏にまんだらけに入社し、都内の中野店で、店舗スタッフとして配属された。以後、渋谷店、池袋店への勤務を経て、08年4月の、おたくの一大デパート秋葉原コンプレックス館のオープンに合わせ、同館の店舗スタッフとなった。
店舗スタッフの仕事内容は、大きく分けて、開店前の準備、開店中のレジ打ち、閉店後の片づけとなる。今回問題となったのは「時間外労働」だった。
まんだらけの就業時間は「12時から21時(うち休憩時間60分)」と定められている。しかし、開店前の準備作業のため、11時20分に出勤するように言われた。
部屋の掃除や備品補充、ゴミ捨て、作業台の整理、商品補充、レジ周りの準備、店頭へ商品陳列に加えて、朝の全体ミーティングも規定就業時間前の11時45分から設定されていたという。
また、20時の閉店後も、清掃、棚埋め(売れた商品で空いた棚に商品補充)などのクローズ作業があり、、その合間に、20時30分からフロアミーティング、20時45分から全体の社員ミーティング、その後、各部署に分かれてミーティングがあり、全てのミーティングが終わるのは21時過ぎになることが多かったという。
その上、その後に片付いていない作業に再び取りかかる。自分の仕事が早く終わり責任者に報告すると、「じゃあ、こっち手伝って」などとさらなる仕事が託された。毎週日曜日の22時からは、新入社員ミーティングも行われた。こうして結局、終電か、終電間際に退勤することが多くなったが、これらの定時前、定時後の時間外労働の賃金は、一切支払われなかった。
それだけでない。秋葉原コンプレックス店の配属だった08年5月に、池袋店の「未箱査定」(客から宅配で送られてきた買取用の本などを査定する作業)が、常時100箱以上たまるようになり、この作業を閉店後に同店舗に行ってやるように命じられたのだ。「次の日出勤なので、徹夜はしたくない」と断っても、「いいから来て」と電話で呼びつけられ、強制的に参加せざるを得ない状況になった。もちろん多くの場合、徹夜での作業となった。
こうした閉店後の未箱査定が、月2~4回のペースで約3か月間にわたって続いた。自店の閉店後に池袋店に行き、朝9時~10時まで作業をして、そのまま秋葉原コンプレックス店に出勤という過酷労働を強いられたのだという。
さらに酷使されたのは年2回の「棚卸し」だった。これは売り物をすべてカウントする作業で、全スタッフが行う。まんだらけの商品は在庫量が膨大で、通常の勤務時間では到底終わらない。