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商事専門“異色の”ビジネスサイト、なぜ立ち上げ?企業の裏情報と裁判資料が充実

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商事専門“異色の”ビジネスサイト、なぜ立ち上げ?企業の裏情報と裁判資料が充実の画像1「さくらフィナンシャルニュース HP」より
 投資家向けニュースをネットで配信している「さくらフィナンシャルニュース」。2009年4月から10年2月まで報道系テレビ番組『ニュースの深層』(テレビ朝日系)のサブキャスターを務め、現在は週刊誌や月刊誌において、政界や官界をテーマにした記事を執筆と多方面に活躍している横田由美子氏が同サイトの編集長に就任し、2月10日、リニューアルを行った。

 そこで今回、横田氏にどのようなリニューアルをしたのか、今後の方向性や目標などについて話を聞いた。

–今回のリニューアルで、最も大きな変更点はどこでしょうか?

横田由美子氏(以下、横田) 姿勢という部分が大きいでしょうね。サイト内にある編集長挨拶にも載せているのですが、個人投資家目線に立ってニュースを流していく、ということを前面に打ち出しています。そのため、時には企業が表に出したくないニュースなども、これからは力を入れていきます。

●裁判記録全部を掲載

–具体的には、どのようなニュースですか?

横田 争議案件です。裁判の資料などは全部掲載するようにしています。例えば、口頭弁論の裁判記録では、裁判官の名前や弁護士の対応など、基本的に載せられるものは全部載せています。

 裁判記録は、かなりの量になります。場合によっては、A4用紙の資料が3センチもの厚さになってしまいます。しかし企業の争議案件などは、地味なものも多いので、ほとんどのメディアでは無視されるか、載せたとしても1ページか多くて見開き2ページくらいでしょうか。3センチの厚さの記録が1ページになるということは、その大部分は掲載されず、読者は詳細な事実関係をわからないまま結果のみを読む、といったこともよくあります。

 そのため、課金になると思うのですが、分厚い資料も全部読めるようにしているのです。

–なぜ、そのようなニュースを大きく扱おうと考えたのですか?

横田 個人の投資家というと、一時期、名をはせた村上ファンドのようなものをイメージする人も多いと思います。ファンドを運営している人たちなどは、ものすごく豊富な知識を持っていて、投資している企業が破産したときでも、事前にある程度察知しているので大損はしていないと思います。しかし、実際はそうした運用をできる人はごく一部で、知識もないまま投資をしている人が多いのです。すごく知識がある人と、まったく知識を持たない人、両極端に分かれています。その結果、さまざまな問題が起きています。

●投資家の無知につけ込んだ事件

 以前、こんな事件がありました。旦那さんを亡くし、50代で工場長として働いている女性が、証券会社から勧められるまま取引をし、空売りなどで最終的に2億4000万円もの負債を負ってしまったのです。話を聞くと、その証券会社が、女性にひどく強引な取引をさせていました。しかし女性は知識がないために、その言葉に従ってしまったのです。

 実際、取引の記録を見ても、多いときは一日に8回も売り買いさせられていました。現在、この負債について裁判が行われていますが、女性にほとんど勝ち目はありません。普段のやりとりは携帯電話で行っていて、通話の録音などもしていないのです。そもそも録音しようなどという発想もないのです。

 すなわち、2億4000万円という大きな借金は、ほとんどが女性の責任ということになってしまいます。亡くなった旦那さんと苦労して建てた家を売り払っても、追いつかない金額でしょう。

 こうした事件は、知識がないまま投資に手を出した女性にも責任がありますし、彼女の言葉だけで記事を書くこともできません。また、大手証券会社でしたらニュースとしてバリューもあるのでしょうけど、今回問題となったのは地場の小規模な証券会社です。そのため彼女のような事件は、ほとんど目に触れることはありません。

BusinessJournal編集部

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