当社ではお客様と接するあらゆる部門の職員たちが、東京ディズニーリゾートをはじめさまざまなホスピタリティを視察、体感して、プロ野球目線でのホスピタリティのあり方を見つめ直しています。株式会社横浜スタジアムの社員とも合同勉強会を開くなど、ホスピタリティのあり方について進化しなくてはならないという意識が高まっています。
–これまでの2年間を振り返ってみて、いかがでしたか?
池田 どんな業界にも、その業界にしかない特殊な要素はあります。しかし、それを主張し、変わらなくていい理由、変われない理由にしていたら何も発展しませんし、そもそも経営の本質はどの業界でも共通していると思っています。私は商社、広告代理店、IT業界などを含め、多彩な経験を重ねてきたつもりでしたが、スポーツビジネスの経験はありませんでした。それでも、もうすでに「石の上にも3年」が経とうとしています。最初は色々言われましたが、スポーツビジネスでの経験の濃さと共に年輪は増えてくと思っています。
経営者としてお客様からの評価を第一義に考えなくてはならなかったこともあり、最初は社員も偏見や疑問を持つことが多いのは仕方ないことです。しかし、思慮を重ねてあるべき方向性を経営者として提示した以上、そこに社員を導き、結果へとつなげる責任があるわけで、一度口にしたことに関して、決してブレないことに徹してこられたと思っています。そして、変化することへの苦悩と苦労を社員が乗り越えてきてくれた結果、チームも確かな成長をはじめ、業績も上がり、社員全員が結果を目のあたりにできたことで、やっと会社としての一歩を築けたと思っています。ここまでくるのに2年半かかりました。
–御社はある調査で「ベストモチベーションカンパニー」の8位にもランクされましたが、モチベーションの高い会社になってきた理由はなんでしょうか?
池田 提案制度などは設けていませんが、コンパクトな部署単位で常にフットワーク良くアイデアを考え、実現するようになっています。新球団となり3年目。経営者としても、細かいマネージメントを現場に任せられ、各部署のマネージャーがアイデアの良し悪し、実現の意味、会社にとっての全体最適化を判断してくれるようになっています。多くの社員が「自分事化」して仕事にあたってくれている結果ではないでしょうか。
–ありがとうございました。
(構成=編集部)