そもそもガンダムシリーズは『機動戦士ガンダム』以降も、『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』『新機動戦記ガンダムW』(いずれもテレビ朝日系)、『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダム00』(ともにTBS系)など、これまでに計12作品(外伝的作品除く)ものテレビアニメシリーズが放送され、そのほかにも劇場版、OVA(オリジナルビデオアニメ)シリーズなどアニメ作品が数多く展開された。
アニメ以外にもプラモデル(ガンプラ)やテレビゲームといった関連商品の派生ビジネスも成功しており、アニメ制作を担当するサンライズ、ガンプラやゲームの販売を一手に引き受けているバンダイグループにとって、ドル箱コンテンツであるのは周知の事実である。
●バンダイグループ内でダントツの売り上げ
バンダイナムコホールディングスが5月8日に公表したグループ全体のキャラクター別の売上高によると、ガンダムシリーズは2013年度だけで802億円というダントツの数字を叩き出している。2位の仮面ライダーシリーズが307億円であることを考えると、バンダイグループへの貢献度の高さがうかがえる。
では、ガンダムシリーズがなぜロボットアニメの金字塔となり、他作品を凌駕するほどのモンスター作品へと成り得たのだろうか? ガンダムファン歴30年にして全シリーズに精通するライター、昌谷大介氏にガンダムビジネスの歴史を振り返ってもらった。
「バンダイナムコホールディングスのキャラクター別売上高では、ガンダムシリーズは11年度が447億円、12年度が652億円となっており、802億円を記録した13年度まで、ここ数年で急拡大しているのです。今まさにガンダムビジネスは隆盛期と言っていいでしょう。これはアニメやプラモデルの収益が堅調なのはもちろん、ネットワークゲームなどの収益も好調なのが要因だと思います。ですが、今でこそわが世の春を謳歌しているガンダムですが、1作目の『機動戦士ガンダム』は、実は低視聴率のため全52話予定のところが43話で打ち切りとなるほど、当時は人気作とは言い難い状況でした」(昌谷氏)
しかし、その骨太な作品性により放送終了後から徐々に火が付き、中高生や20~30代のアニメファンから強い支持を集めるようになっていったのだという。