なぜ、レンタルビデオの貸出期間は1週間なのか?
元外資系部長、ユニクロ元マネージャーであり、現在『とくダネ!』(フジテレビ系)コメンテーターとしてもお馴染みの田中雅子氏。長年現場のマネジメントにたずさわり、数々の全社プロジェクトを成功させ、企業成長を支えてきた田中氏が、ビジネスパーソンが自らをリーダーに成長するためにやるべきことを指南する。
先日、『日経Bizアカデミー ビズアカ水曜勉強会』という勉強会に参加しました。その時のプレゼンテーターは、森ビル・ライブラリーアドバイザーの小林麻実氏。六本木ライブラリー創設時の出来事を題材に、日頃の不満を新しいビジネスに生かすアイデアについてお話ししていただきました。六本木ライブラリーとは「自立した個人が知性を磨き、最新の情報や書籍を入手し、ネットワークを築く空間」というコンセプトの施設で、既存の図書館のように本中心ではなく、借りる人、そこに集う人のことを重視して、不便さを全部解消した図書館を目指して、六本木ヒルズ内に開設されたものです。
小林氏のプレゼンテーションによると、とにかく、まず立ち上げて、どんな図書館にするのかは、既成概念なしで利用するお客様の意見を聞きながら、柔軟に対応するかたちにしていっているそうです。
「ある程度緩めにハードはつくっておいて、ソフトはお客様と一緒につくっていけばよい!」
「まずやる!」
「まず実行する!」
といったビジネスの鉄則を推し進めた小林さんは、スゴいと思いました。
今、企業の現場では、企画書やら裏付けとなるデータを事細かく準備しても、なお「GO」がかからない。
「実績がないから無理だろう」
「費用がないから無理だろう」
となってしまうのです。
クレームに目を向ける
「まずやる」ということに加えて、「クレームに目を向ける」ということも、非常に重要なポイントです。
例えば、かつてこういうことがありました。女性向けの商品を販売していましたが、自社の女性社員たちが「自社商品の中で、欲しいものがない」と愚痴をこぼしていたのです。なぜなら、女性向けの商品であるにもかかわらず、商品開発は男性が主導していたからです。女性のニーズを反映した商品をつくるためには、男性だけでは本質的な女性ニーズは追求できないですから、少なくとも女性がかかわらなくてはならないはずです。
今考えてみれば、すごく単純なことなんですが、社内では単純なことではありませんでした。社長に何度も何度も提案し、ようやく女性中心のプロジェクトが立ち上がりました。