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ベネッセ流出、期限切れ鶏肉…監視と個人情報の問題露呈、どう解決し企業成長につなげる?

文=荒川大/株式会社ENNA代表取締役
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 ただし、大都市圏と地方都市では、個々人の距離感およびプライバシーに対する感覚に違いがあるので、今回のような事件が大都市圏で発生した場合に、隣の住人すら知らない生活の中で他人の非日常的な行動を把握するということは難しく、それゆえ最近流行のビッグデータ研究のテーマになるかもしれません。

(4)SNSとプライバシーの問題

 現在では多彩なソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が普及し、人々の日常がクラウド上にデータとして保存されており、それらのデータから特定の個人の行動特性を分析することができるツールも市販されています。FacebookやTwitterに投稿した情報が原因で仕事を失ったり、就職の内定が取り消しになる事例も増えていますが、自身や友人知人の犯罪行為を公開して逮捕されるというのも新たな現象といえます。

 さらに、LINEなどのメッセンジャーアプリによるヴァーチャルなコミュニティで問題となっている依存や仲間外れは、未成熟な世代のプライバシー意識の希薄さと相まって多くの課題を投げかけています。一時の書き込みや撮影、情報の公開が、本人のその後の人生にどのような悪影響を及ぼす危険があるのか、親世代がきちんと伝えていかなければなりません。詳細については、法務省HP上で公開されている『小学生を対象とした法教育教材例の作成について』など、プライバシー教育に関する情報に目を通しておくことをお勧めします。

(5)プライバシー意識の醸成

 SNSにおける課題・問題(仲間外れや、ストーキング、リベンジポルノ等)は、ユーザー同士のプライバシー意識の希薄さにより拍車がかかっていますが、半面、最近のテレビ番組で多用される一般人の顔へのモザイクや、公的団体による路上での顔認証システムを活用した調査事業への反対運動が高まるなどしており、SNSにおけるプライバシーの問題が今後、議論を呼ぶでしょう。

(6)犯罪抑止のための監視体制

 筆者が接するIT業界やITセキュリティ業界、サイバーセキュリティ業界では、重要な情報資産や特許情報を扱う職場での入退室管理に、監視カメラと生体認証を組み合わせた対策を行っている企業があります。これには、社員に「犯罪行為はすぐにばれる」というメッセージを送る目的もあります。

 商取引の世界では、法令を侵害しない範囲での約束ごとは有効ですので、売る側も買う側も、仕事を発注する側も受注する側も、疑われることなく安心して仕事をするための取り組みに対しては、さほど過剰な反応は持たないことが多く、また、監視カメラの下での仕事を望まなければ断ることもできます。

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