14年12月期第2四半期(1~6月累計)の業績は悪かった。連結売上高は前年同期比6.7%減の1210億円、営業利益は同50.3%減の35億円。期初に投入した「アメリカンヴィンテージ」シリーズやサッカーW杯関連の期間限定商品が期待外れに終わったためだ。直営店とフランチャイズ店を合わせた全店売上高は2377億円と前年同期に比べて3.9%、96億円の減収になった。
業績低迷から抜け出せないでいるところに、さらに期限切れ鶏肉の事件が追い打ちをかけ、客足が遠のいた。
「デフレの勝ち組」といわれたマクドナルドが失速した主因は、利益の源泉となる既存店売上高の減少である。カサノバ氏が社長に就任した直後である13年9月以降の既存店売上高と客数の前年同月比の推移は以下の通りである。
【既存店売上高、客数の前年同月比較】
※以下、指標名:13年9月、10月、11月、12月、14年1月、2月、3月、4月、5月 6月(単位%、▲はマイナス)
売上高:▲3.4、▲9.7、▲10.4、▲9.0、3.4、▲8.7、▲2.6、▲3.4、▲2.4、▲8.0
客 数:▲6.5、▲13.9、▲14.4、▲12.1、▲5.3、▲13.1、▲8.3、▲6.4、▲5.5、▲10.7
(「日本マクドナルドホールディングス月次セールスレポート」より)
既存店売上高は1月こそ前年同月比で3.4%増となったものの、2月以降は前年割れが続く。特に深刻なのは客数だ。13年5月から14カ月連続で前年同月を下回っており、2ケタの減少は5回を数える。
●コンビニに顧客を奪われる
なぜ、客数がこれほどまでに落ち込んだのか? パンや弁当、入れたてコーヒーなど、マクドナルドの競合商品を強化するコンビニエンスストアチェーンに顧客を奪われているのだ。コンビニが入れたてコーヒービジネスに目をつけたのは、マクドナルドのコーヒー販売が好調だったからだ。マクドナルドは08年2月に100円コーヒーの「プレミアムローストコーヒー」を発売した。発売までの4年間の販売数量は6.6億杯だったのが、100円コーヒー投入以降の4年間は10億杯に増えた。