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スーパー、嘘表示が横行するカラクリ 朝どれサンマ、「5時以降につくりました」の惣菜…

文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表
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●法律よりも優先すべき土台

 企業はものを製造して販売し、利益を出し続ける必要がありますが、その過程においては法律違反をしないことが大切です。しかし、法律よりも優先すべき土台があります。それは働いている従業員が長い人生の中で身につけてきた、個人個人の倫理感です。法律で決められていないことはたくさんあります。

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「法律に書いていないから」「法律で決められていないから」と法律を盾にとって物事の善し悪しを決める人もいます。大切な子どもの健康を考えた食品を製造する場合、本当に「5時以降に製造しました」という表示でいいかどうかを、従業員一人一人の倫理感で考えて見ることが大切です。法律にないこと、企業の規則・ルールにないことでも「自分の倫理感上おかしい」と思った時は上司に話してよい。上司が聞く耳を持たない場合は、上司の上司に話してもよい。それでもダメな時はこのコールセンターに連絡する。こうした仕組みをつくり、従業員教育を行う必要があるのです。
 
 牛肉の挽肉に豚の心臓やパンを入れるという行為は、上司の命令であっても大切な子どもの健康を考えると、食品製造にはふさわしくない行為だということは倫理上明確なはずです。2007年、食品加工会社ミートホープの牛肉偽装が発覚しましたが、初めに社長から偽装を指示された時に、従業員の中で一人でも声を上げて、第三者のコールセンターなどに通報していれば、同社はその後も存続していたかもしれません。声を上げなかったために、従業員は働く場所をなくしてしまったのです。
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表) 

●河岸宏和
食品安全教育研究所代表。1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。 毎年、100カ所以上の食品工場点検、教育を行っている。

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【著書】 
『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます』『スーパーの裏側 安全でおいしい食品を選ぶために』『放射能汚染食品、これが専門家8人の食べ方、選び方』(以上、東洋経済新報社)、『日本の農業は風評被害に負けない』『“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実』(共にアスキー・メディアワークス)、『ビジュアル図解 食品工場の点検と監査 』『ビジュアル図解 食品工場の品質管理』『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』(以上、同文舘出版)、『図解入門ビジネス 最新食品工場の衛生と危機管理がよ~くわかる本』『食品販売の衛生と危機管理がよ~くわかる本』(共に秀和システム)

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