(「足成」より)
これらの家電3社は、いずれも液晶テレビ、液晶パネルなどが業績の足を引っ張っており、最大のライバルは韓国企業のサムスン。日本の唯一の半導体メーカーであるエルピーダメモリが2月に会社更生法申請に追い込まれた。エルピーダの最大のライバルもサムスンだった。
また、北米・欧州市場では、現代自動車が日本の自動車メーカーを凌駕する勢いとなっている。
だが、韓国専門家の間では、「現在の李明博政権の財閥優先政策により、財閥系企業とその従業員は豊かになったが、それ以外の企業、特に中小企業とその従業員は貧しくなる一方。日本でも貧富の格差は問題になっているが、韓国の貧富の格差に比べれば、日本など格差はないに等しい」と言われている。
08年2月の大統領選挙で、韓国国民は経済発展と生活の豊かさを求め、李政権を誕生させた。しかし、現代建設社長という前歴を持つ李明博大統領は、”財閥政治の申し子”となり、多くの国民は貧困にあえぎ始めている。
例えば、韓国の風物詩となっている大学受験風景。受験生をパトカーが先導したり、ヘリコプターまで使われる光景には驚くばかりだ。この過激な受験戦争の背景にあるのが、学歴社会。韓国では一流大学を卒業していなければ、財閥系企業へ就職することはできない。その上、せっかく就職できても、博士号を持っていないと出世はできないと言われている。さらに驚くべきことに、東京大学よりも難関と言われるソウル大学を卒業しても、約半数しか就職ができない状況だ。
財閥系以外の企業では、中高年にリストラの嵐が吹き荒れている。若年層の就職口が少ないため、企業は賃金の高い中高年をリストラし、賃金の安い若年層の雇用を進める。この結果、40代半ばでのリストラが相次いでいる。リストラされた従業員は次の就職先が見つからず、家計を支えるために妻がパートなどに出ている状態だという。こうして非正規雇用の割合が増加し、今では実質的に50%程度になっていると見られている。