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日本でも長引く景気低迷の中、中小企業が苦境に立たされているが、韓国でも同様。財閥が圧倒的な力を持つ韓国では中小企業にしわ寄せが起こり、倒産が相次いでいる。
こうした状況は貧富の格差に拍車をかける。夫はリストラされ無職の状態。家計を支えているのは妻のパート賃金。それでも学歴社会を生き抜くために苦しい家計から子供を進学塾に通わせる。ついに、ソウル市では小学校に弁当を持っていけない子供たちが増加したことで、全小学校で無償給食を実施するに至った。
この貧富の格差は、12年10月の大統領選にも影響を与えそうで、高福祉政策、貧富の格差是正が争点になると見られている。それは、取りも直さず財閥・大企業優遇という李政権の政策を変更することにつながる。すでに野党サイドは、米韓FTA(自由貿易協定)条約見直し、あるいは条約破棄も選択肢との声も聞かれる。さらに、財閥解体論や「ソウル大学とサムスンの解体」といった強烈な意見も出されている。
韓国の格差社会の実態は、日本にとっても他人事ではない。これが逆に日本の将来の姿になるかもしれない。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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