出産、子育て、介護…働く女性はどうすればよいのか?
医学的なことはよくわかりませんが、芸能人や著名人のいわゆる高齢出産がニュースになります。ご本人にとってはおめでたいことなのですが、すべての女性に対して高齢出産が大丈夫というわけでもないのです。年齢とともに、女性の卵子は劣化しますから、働きながら不妊治療をする方が増えているとも聞きます。それで子どもが生まれないのは、自分のせいだと自責の念にかられる方もいます。
でもこのような女性の身体や「妊娠適齢期」、婦人病などについて、きちんとした知識を教わる機会は、私も含めて皆無だったように思います。もっと知るチャンスがあったら……と後悔の念にかられる女性たちが多いのです。
例えば、20代から30代の時に子どもを産む、産まない、また仕事に生きるから子どもはいらないという選択をする際には、十分な知識が必要です。なんとなく「有名人が高齢出産しているから大丈夫」というふうに考えてしまう今の状況は、決してよくない。どのような選択をすべきか、そのための基礎知識を、噂やイメージだけで判断するのではなく、体系的な知識として国や企業も教育をしていくことが必要なのです。
介護と仕事は両立できるのか?
私が会社を退職して独立したのは、実は親の介護をするためです。
最初の介護認定を受けるためには、いろいろと手続きが必要でした。それは高齢者だけでは対応しきれないのが現実だと思います。当時、大手上場企業の子会社社長という立場でしたので、何日も休むことはできない状況でした。親の介護をするために、社長業ができなくなったんです。それで、いったん実家に帰って介護の環境を整えることにしました。
家でできるような仕事をやろうとしていた矢先、幸いにも仕事や本の執筆依頼をいただきました。それはラッキーだったと思います。私の経歴を見ると、かっこよく独立したのではないかとみえてしまうようですが、実際は違います。ペースダウンをさせて、自分ができる範囲でやり始めたというのが、私の独立の本当の理由です。
そのような私の20〜30代というと、とにかく稼がなくてはならないし、キャリアをつけたかったので、バリバリ働こうと決めていました。会社から要求されている成果を出すことに全力で取り組んでいました。しかし、女性の身体はホルモンの影響などもあり、働く上では男女平等で同じ土俵で頑張るということであっても、明らかに身体に不調を来してしまうこともありました。つらいことも経験しましたね。
働く女性の知恵
出産や更年期障害、婦人科系の病気などに関しては、企業がいろんな制度を整備していますから、もちろん有効に正々堂々と活用するべきだと思いますが、それと同じくらい大切なのは、女性自身がペースを緩めたり、また土俵に乗ったり、ちょっと端に寄ったりとかするための知恵を持つべきだと思います。