同賞のウェブサイトによると、1961年に発足されたベルギーに本部を置く国際的な品評機関で、世界各国の消費生活製品を70人以上の食の専門家が評価し、品質に応じて表彰するのが使命とのこと。また、「モンドセレクションの優秀品質賞は世界的に高く評価されております」との一節もある。
そして、同賞では各審査員の得点を集計して平均値を算出し、90点以上で最高金賞、80点以上で金賞、70点以上で銀賞、60点以上で銅賞が授与される。さらに14年度のモンドセレクション受賞商品の統計を見てみると、最高金賞受賞商品が400点、金賞受賞商品が1389点、銀賞受賞商品が787点、銅賞受賞商品が222点となっている。つまり、相対評価ではなく絶対評価であり、3分の2近くの商品が金賞以上を受賞しているということになる。
●審査基準は「美味しさ」ではない?
では、なぜ急にモンドセレクションを受賞した商品が日本国内にあふれるようになったのだろうか。食の情報に詳しいフードアナリストの重盛高雄氏は、次のように語る。
「やはり、日本人が『○○賞受賞』という権威に弱いからでしょうね。『モンドセレクション金賞受賞』と書いておけば商品が売れますし、企業側も同賞を利用しているのでしょう」
確かに、受賞結果を見てみると日本の商品が大部分を占めている。それだけ日本企業にとって、同賞受賞の効果が大きいのだろう。
「ただ、消費者が勘違いしてはいけないのは、同賞が『この商品は美味しいかどうか』という観点で審査しているわけではないということ。審査基準を見てみると『規格に則って製造されているか』『パッケージに記載されている内容と相違がないか』などで評価しているようなのです。例えば、パッケージに『シルクのような舌触り』と書いてあるのに実際にはザラザラした舌触りだったら評価は低くなる。簡単に言ってしまうと、同賞は『パッケージの表示通りの商品である』というお墨付きなのです」(同)